内容
近年、レジリエンス、楽観主義、エンゲージメントなどのポジティブ心理社会的要因が、寿命が延びるといった客観的に測定可能な結果と、ウェルビーイングのような主観的な成果にもいい影響を与えることが明らかになっている。にも関わらず、ポジティブ特性、ポジティブ社会要因、および他のポジティブ成果のに関する研究の大半が、日々の精神医療には影響を及ぼしていない。なぜか? いままで、精神医学の研究は、精神病理の解明や精神疾患の治療と再発予防の介入に重点が置かれてきた。本書では、客観的に測定可能な研究結果を裏付け、ポジティブメンタルヘルスがどのように精神医学の実践、教育、研究の中心的要素となり得るのか、を定義や介入方法などの視点から考察した一冊である。