内容
「すげえの書いて、デビューしようぜ」落ちこぼれヤンキーといじめられっ子中学生が、小説界に殴り込み!?小説家を目指すデコボココンビの奮闘を描く、渾身の青春長編小説。小説家となった入江一真のもとに、一枚の葉書が届く。とぎれとぎれの汚い字で「インチキじゃなかったぜ」とだけ書かれたその手紙は、もう20年ほど会っていない「元相棒」から送られてきたものだった――。いじめられっ子だった中学時代の一真は、万引きを強要された現場でヤンキーの田口登と出会った。登は一真の境遇を聞くと、いじめをやめさせる代わりに、一真に「小説の朗読をしてくれないか」、と意外な提案を持ち掛ける。登はディスレクシアで文字の読み書きができない。しかし一度聞いた物語は一言一句忘れない特技があり、頭の中に湧き出すストーリーを生かして作家になることを目指していた。はじめはイヤイヤながら朗読のために通っていた一真だったが、名作小説をふたりで一緒に読むうち、いつしか「面白い小説を作る」という目標に向かって、興奮と共にぐんぐんのめりこみはじめる。しかし次々に難題が表れて……。熱い友情と挫折を描く、渾身の青春物語。