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ライフ・オブ・ラインズ~線の生態人類学~

ティム・インゴルド(Tim Ingold)  著

筧菜奈子, 島村幸忠, 宇佐美達朗  翻訳
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価格 \3,080(税込)         

発行年月 2018年09月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 317p,24p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/社会科学/民族学・民俗学・人類学/民族学・民俗学・人類学
ISBN 9784845916269
商品コード 1028394741
NDC分類 389
基本件名 社会人類学
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2018年10月4週
書評掲載誌 朝日新聞 2018/11/17
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1028394741

著者紹介

ティム・インゴルド(Tim Ingold)(著者):1948年生まれのイギリスの人類学者。1976年、ケンブリッジ大学で社会人類学の博士号を取得、1995年よりアバディーン大学にて教鞭を取る。哲学、社会学、生態心理学、芸術学、考古学、建築学など多様な領域をクロスオーバーする人類学研究を精力的に展開している。著書にThe Perception of the Environment: Essays in Livelihood, Dwelling and Skill, 2000、Lines: Brief History, 2007(邦訳『ラインズ──線の文化史』)、Being Alive: Essays on movement, knowledge and description, 2011、Making: Anthropology, Archaeology, Art and Architecture, 2013(邦訳『メイキング──人類学・考古学・芸術・建築』)、Anthropology and/as Education, 2017、Anthropology: Why It Matters, 2018など多数。
筧菜奈子(翻訳):美術史研究者。2017年京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。著書に『めくるめく現代アート——イラストで楽しむ世界の作家とキーワード』(フィルムアート社、2016年)。翻訳にトマ・ゴルセンヌ「装いの系譜学——記号学的モデルとしての紋章から、有機的モデルとしての生地まで」(『現代思想』〈特集=人類学の時代〉青土社、2017年3月臨時増刊号)。岡山大学、関西大学、関西学院大学、京都精華大学など非常勤講師。
島村幸忠(翻訳):煎茶家。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程在籍。日本学術振興会特別研究員(DC)。専門は美学・芸術学。翻訳にベルトラン・プレヴォー「コスミック・コスメティック——装いのコスモロジーのために」(『現代思想』〈特集=現代思想の新展開2015「思弁的実在論と新しい唯物論」〉青土社、2015年1月号)がある。京都造形芸術大学通信教育部及び岡山大学非常勤講師。
宇佐美達朗(翻訳):京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程。日本学術振興会特別研究員(DC2)。現代哲学専攻。2017年にUniversité Paris NanterreでMaster 2 (Philosophie) を取得。

内容

世界から注目される人類学者、
ティム・インゴルドのライフワーク
「ライン学(=linealogy)」の到達点。

結ぶこと、天候、歩くこと、成長すること、人間になること……
見たことのない自由な発想で、この世界にさまざまなラインを見いだす。
哲学、生態学、気象学、人類学の境界を踏み超えて自在に歩き回る、
人類学者インゴルドの驚くべき「線」の探求の旅。

線を作りだすことは、人間になること──

「たとえ意識されることがなかったとしても、道を歩いたことがある者、布を縫ったことがある者、動物を追いかけたことがある者、詩を朗読したことがある者、図を描いたり手紙を書いたりしたことがある者、──つまるところ、実際に生きている者であれば誰もがそれ〔「ライン学」〕に携わってきた。」(本書より)

たとえ意識していなくても、道を歩いたり、布を縫ったり、動物を追いかけたり、詩を朗読したり、図を描いたり、手紙を書いたりしたことがあれば、つまり、実際に生きているわたしたち人間誰もが、「ライン学」の研究者といえる。

つまり、わたしたち人間は誰もが、「ライン学」の研究者といえるのだ。
そのように説くインゴルドは、本書において、歩くこと、織ること、観察すること、歌うこと、物語ること、描くこと、書くことといった、人間が紡ぎ出す文化の中にあるラインを見出しながら、「結び目をつくること」「天候にさらされること」「人間になること」という3つの枠組みを手がかりに、「ライン学(=linealogy)」をさらに広い視点から考察していく。

本書では、インゴルド自身が提唱する社会的生命論から、ベルクソン、ジェイムズ・ギブソンやメルロ゠ポンティ、ドゥルーズ゠ガタリ、そしてオルテガ・イ・ガセットの人間論やハンナ・アレントのリーダーシップ論、教育哲学者ヤン・マッシェラインを引き合いに出しながら、バクテリアの細胞と鞭毛、画家マティスの《ダンス》、タコとイソギンチャク、小説家イタロ・カルヴィーノの書く「結び目」、グレアム・ハーマンのオブジェクト指向存在論(OOO)、ロープの結び目と木の継ぎ目、さらには壁、山と摩天楼の差異、地面、知識へと関心を遷移させ、次いで風、つむじ風、渦巻き、風と歩行、足跡、天候を知覚することと世界、大気と雰囲気、空気、空、太陽の光、色、音とメロディにまで考察を広げ、さらには人間化することについて、人間形成、成長することと作ること、行なうことと経験すること、服従することと熟練すること、あいだにあるもの、中動態、調和といった思考に深化させていく。

哲学、社会学、生態心理学、芸術学、考古学、建築学など多様な領域をクロスオーバーする人類学研究を精力的に展開するインゴルドによる、「ライン(線)の生態人類学」の決定的一冊。

「人間…

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