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近代日本のメディア議員~<政治のメディア化>の歴史社会学~
佐藤 卓己,
河崎 吉紀
編
発行年月 |
2018年11月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
482p |
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大きさ |
21cm |
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ジャンル |
和書/社会科学/政治学/政治学一般 |
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ISBN |
9784422300733 |
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商品コード |
1028560032 |
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NDC分類 |
312.1 |
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本の性格 |
学術書 |
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新刊案内掲載月 |
2018年12月3週 |
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書評掲載誌 |
産経新聞 2019/02/10 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1028560032 |
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著者紹介
佐藤 卓己(編者):1960年広島県生まれ。京都大学博士(文学)。同大学大学院教育学研究科教授。
河崎 吉紀(編者):1974年奈良県生まれ。博士(新聞学)。同志社大学社会学部教授。
内容
政治の自立性を奪う、《メディアの論理》とは何か? 『衆議院議員名鑑』の記述をもとに、第1回~第39回衆議院議員総選挙で当選したメディア出身・関連議員(メディア議員)980余人を抽出しデータベース化。さまざまな観点からの数量的調査を通して、「政治の論理=価値や理念の実現」が「メディアの論理=社会的影響力の最大化」に取り込まれてゆき、世論迎合型(=劇場型)政治へといたる、そのルーツと変遷を検証する。10名の研究者によるポリフォニックな共同研究。 巻末には、984人分のメディア議員リストを収録。 *** 【本文「序章」より】 二・二六事件はジャーナリズム史で「冬の時代」の画期とされる出来事である。だが、その直後に業界紙に掲載された記事は「言論と文章によつて一世を指導しようとする政治家が簇出してきたこと」に祝意を表している。本当に言論界は「冬の時代」だったのだろうか。 〔中略〕 当時の首相は海軍大将・岡田啓介であり、もはや政党内閣の時代ではない。なぜ、そのような時代に言論人が大挙して政界進出していたのか。 さらに調べると、この疑問はますます深まった。「メディア関連議員」の議会進出がピークを迎えたのは翌1937年4月30日の第20回総選挙なのである。このとき衆議院で彼らが占める割合は空前絶後の34.1%に達していた。日中戦争が勃発する約2ヶ月前、国会は「言論と文章によつて一世を指導しようとする政治家」が三分の一以上の議席を占めていたことになる。 続いて戦時体制下の言論統制に筆を進めるなら、「それにもかかわらず」と文章を続けるのが普通だろう。議会は「メディア関連議員」が多数を占めていたにもかかわらず、戦争を止めることはできなかった、と。 本当にそうなのだろうか。むしろ、逆ではないのか。ここでは敢えて「それにもかかわらず」ではなく、「それゆえに」と考えてみたい。メディア関連議員が議会に多くいたために、戦争を止めることはできなかったのではないか、と。 結論から言えば、それは政治が「メディアの論理」で動いたためである。何らかの価値や理念の実現をめざす「政治の論理」とは異なって、読者数あるいは影響力の最大化をはかるのが「メディアの論理」である。メディアが「政治の論理」に従うなら「輿論public opinionの指導」を目標とするが、「メディアの論理」を全面展開するメディアは「世論popular sentimentsの反映」に驀進する。新聞人や出版人にせよ、放送人や映画人にせよ、彼らがこうした世論反映のプロフェッショナルである場合、はたして好戦的な世論の奔流に抗して平和の理念を保持できただろうか。