ホーム > 商品詳細
MeL
丸善のおすすめ度

【MeL】アフリカ眠り病とドイツ植民地主義 ―熱帯医学による感染症制圧の夢と現実―

磯部 裕幸  著

    数量 冊 
価格 \17,818(税込)         

※表示価格は「学術機関向け・同時1アクセス」の価格となります。
ご注文を承った際には、実際のご契約内容により算出した価格でご請求いたします。


発行年月 2018年07月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 電子
ページ数/巻数 328p,29p
ジャンル 和書
商品コード 1029161041
NDC分類 498.6
基本件名 感染症対策-歴史
本の性格 学術書
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1029161041

内容

ドイツが植民地統治を本格化させた20世紀初頭、ある感染症がアフリカで猛威を振るった。一般に〈眠り病〉と恐れられたトリパノソーマ病である。ツェツェバエを媒介にしてヒトに広がるこの病気は、嗜眠性の髄膜炎を起こして感染者を確実に死に至らしめる。この時期、赤道アフリカではおよそ80万人が犠牲になったといわれる。当時のドイツ医学は世界最高水準にあり、コッホやエールリヒが国際的に活躍するなか、眠り病の制圧も近いと思われた。だが、ことはそう簡単には進まず、植民地統治期、ドイツ医学は有効な対策を講じることができなかった。現地住民は感染リスクにさらされながらハエの駆除作業に動員され、危険な薬剤の実験台ともなって命を落とした。第一次世界大戦後にドイツは眠り病の特効薬を開発するが、ヴェルサイユ条約によりかつての植民地は戦勝国の支配下にあった。はたして、この新薬をイギリスやフランスに提供するべきか。ドイツで植民地の再獲得を求める動きがみられるなかで、科学と政治はふたたび緊密に結びついてゆく。本書は、ドイツ連邦文書館に収蔵されている一次史料から、植民地統治において医学が果たした役割と、第一次世界大戦後のいわゆる「ヴェルサイユ修正主義」との関係を論じる。いまだ眠り病が撲滅されていないという状況を鑑みるとき、そこで描かれる「植民地の過去」は、この問題が単にドイツ史における逸話としては片づけられない広がりをもつことを示している。

目次

カート

カートに商品は入っていません。