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実践子どもと思春期のトラウマ治療~レジリエンスを育てるアタッチメント・調整・能力(ARC)の枠組み~
マーガレット・E.ブラウシュタイン,
クリスティン・M.キニバーグ
著
伊東 ゆたか
監修
発行年月 |
2018年11月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
13p,395p |
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大きさ |
26cm |
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ジャンル |
和書/人文科学/心理学/臨床心理・精神療法 |
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ISBN |
9784753311477 |
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商品コード |
1029161362 |
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NDC分類 |
146.82 |
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本の性格 |
実務向け |
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新刊案内掲載月 |
2019年01月1週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1029161362 |
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内容
(本書「推薦の言葉」抜粋)
混迷する日本の子どもの臨床現場に,待望の書が邦訳されました。原著は米国のM. E. ブラウシュタインとK. M. キニバーグ共著の「実践子どもと思春期のトラウマ治療 Treating Traumatic Stress in Children and Adolescence」です。著者らは,親の薬物やアルコール依存,精神疾患,虐待やDV,殺傷事件や暴力沙汰,家庭崩壊,貧困や難民などの想像を絶する問題に取り組むなか,子どもの周りのコミュニティーの力に早くから気づいていました。また,早期のトラウマケアのため,子どもと養育者にトラウマ反応をよく説明し,主体的に克服する力を促す,トラウマ・インフォームド・ケアのリーダーです。
訳者は,長年東京都児童相談センターで虐待の臨床に取り組んできた伊東ゆたか先生とその仲間です。伊東先生らは,米国で著者の指導を受け,レジリエンスを育てるアタッチメントattachment(A),調整regulation(R),能力competency(C)つまりARC の枠組みを日本に広めるために,渾身の熱意で本書の翻訳に取り組まれました。このARC の枠組みは,多様な場で実践できる有効な方法であることが学問的に実証されています。
安全安心の土台としての愛着,現実に適応するための感情調整,ストレスに耐えて生き抜く能力の3軸を基本とするARCは,人が生きぬく普遍的なサバイバルの原理として,脳科学的にも検証されたものです。
今,日本全国には,虐待,DV,いじめにあう子や,被災,家庭崩壊,貧困を体験する子どもが増えています。発達期に耐えがたいストレスを受けると,やがてトラウマ反応が生じます。恐怖の記憶がわきあがるため,じっとできず,集団に溶け込めず,ささいなことで癇癪や暴力や引きこもりがおきます。誰よりもその子自身が一番苦しみ,生きていること自体が辛くなります。子どもと家族,身近な幼稚園,保育園や学校の先生に,トラウマ反応について理解してもらうことで,子どもを取り巻く関係性は改善します。
子どもの複雑性トラウマに適切に取り組む専門家は,日本はむろん世界にもそう多くはいません。親(養育者)子を尊重し,その主体性を育み,地域集団の人的資源を掘り起こし,一歩ずつ着実にできるところから手をつけていくほかありません。悪循環が生じる前に少しでも穏やかな関係性が生まれることが大切です。
本書が全国の児童相談所や養護施設や里親の方々に日常的に読みこなしていただけることを願います。それだけではなく,家庭,保育園,幼稚園,子ども家庭支援センター,学校や地域の医療機関で,広く読まれることを願います。トラウマ反応への理解が増し,トラウマを抱えて生きる子どもへの思いやりが社会に広がることにより,深刻なトラウマ反応が予防され,すでにトラウマで苦しむ子どもと養育者の心にも暖かい光が灯されていくことを希望します。
渡辺 久子
世界乳幼児精神保健学会理事