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【ロバート・シラー著 ナラティブ経済学:いかに物語がバイラル化し、重大な経済事象の引き金となるか】
Narrative Economics hardcover 384 p. 19
Shiller, Robert J.
著
発行年月 |
2019年08月 |
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出版国 |
アメリカ合衆国 |
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言語 |
英語 |
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媒体 |
冊子 |
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装丁 |
hardcover |
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ページ数/巻数 |
400 p. |
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ジャンル |
洋書/社会科学/経済学/その他応用経済学 |
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ISBN |
9780691182292 |
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商品コード |
1029953315 |
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本の性格 |
学術書 |
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書評掲載誌 |
Choice 2020/04 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1029953315 |
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著者紹介
Shiller, Robert J.(著者):Yale University, USA
内容
本書は、ノーベル賞を受賞した経済学者でありニューヨークタイムズベストセラー著者であるロバート・シラーによって執筆され、流布する物語がいかに経済事象の引き金となるかについて新たな思考法を提示しています。
インターネット・トロールファームが海外の選挙に影響を与えようとしている世界において、我々は経済に影響を与えるバイラルな物語の力を無視することができるでしょうか。革新的な本書の執筆者であるロバート・シラーは、ノーベル賞を受賞した経済学者でありニューヨークタイムズベストセラー著者として、経済と経済変化についての新たな思考法を提示しています。シラーは、過去の豊富な事例やデータを用い、個人と集団の経済行動に影響を与えるような流布する物語を研究すること(著者はこれを「ナラティブ経済学」と呼んでいます)は、金融危機や景気後退、恐慌、その他大規模な経済事象による損害を予測、準備、そして緩和する我々の能力を大いに向上させる可能性があると主張しています。
一般大衆の間に物語が流布する場合には、テック企業の株価上昇は間違いないだとか、住宅価格は決して下落しないだとか、ある企業は大企業ゆえ倒産不能だとか、いかなる考えであろうとも、考えはバイラル化し、市場を動かす可能性が生じます。このような物語は本当であるか間違いであるかに関係なく、口コミやニュースメディア、そして最近ではソーシャルメディアによって伝達され、我々がどこにどれだけ投資するか、どれだけ消費し貯蓄するかなどの我々の意思決定を駆り立てることで、経済を駆動しています。しかしながら、これらの物語の明確な重要性にも関わらず、大多数の経済学者はこれまでほとんど関心を示してきませんでした。本書は、どのように物語が戦争や大量失業、不平等の拡大へと至る経済事象の引き金となるかを理解するための学術基盤を据えることで、無関心の現状を変えようとしています。
人々が伝える物語―景況感や経済恐慌、住宅ブーム、アメリカンドリーム、ビットコインなど―は経済に影響を与えます。本書ではこれらの物語を真剣に考察するための方法を説明しており、これまでのロバート・シラーの著作の中で最も重要な文献だと言えるでしょう。