内容
与えられた空間における,あらゆる2点間の距離の量の包括的な表現が「距離分布」である.著者が都市解析の研究を約50年続けてきて,この距離分布が都市や地域等の空間を把握するうえで,極めて重要な基礎的概念であると考えるようになった.そこで本書では,距離分布の概念とその算出における数学的理論について,初学者にも理解できるように工夫して解説した.まず距離分布を1次元の線分から説明し,典型的ネットワーク,現実の道路網,大規模な建築物,そして平面へと数理的に厳密に議論していく.特に理論的に重要なのは1次元の結果から基本