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穴持たずども(ロシア語文学のミノタウロスたち No03)

ユーリー・マムレーエフ  著

松下 隆志  翻訳
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価格 \4,180(税込)         

発行年月 2024年01月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 304p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/人文科学/文学/その他の文学
ISBN 9784560093924
商品コード 1037465339
NDC分類 983
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2024年03月1週
書評掲載誌 毎日新聞 2024/03/02、読売新聞 2024/04/07
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1037465339

著者紹介

ユーリー・マムレーエフ(著者):モスクワの精神科医の家庭に生まれる。1955年に林業大学を卒業、夜間学校で数学を教える。学生時代から執筆を始め、地下出版で仲間内に作品が広まった。58年には自身のアパートで伝説的なサロン「ユジンスキー・サークル」を組織し、多くのアンダーグラウンドの文化人らが訪れた。74年に妻とアメリカへ亡命、コーネル大学でロシア文学を教え、83年にはフランスへ移り、東洋言語文化学院等で講義を行う。この間、ヨーロッパの複数の言語で翻訳が刊行され、「ゴーゴリ、ドストエフスキーの継承者」との評価も得るが、ロシアで作品が出版されるのはペレストロイカを迎えてからであった。91年に帰国、94-99年にはモスクワ大学で東洋哲学を講じた。『穴持たずども』(1966-68執筆)、『モスクワ・ギャンビット』(1981-85執筆)をはじめとする「形而上的リアリズム」と呼ばれる文学作品のほか、『存在の運命』(1997)、『永遠のロシア』(2002)などの哲学的著作も著している。アンドレイ・ベールイ賞等の文学賞のみならず、その文学的功績に対して国家友好勲章が授けられた。
松下 隆志(翻訳):1984年生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。岩手大学准教授。著書に『ナショナルな欲望のゆくえ―ソ連後のロシア文学を読み解く』、訳書に、ソローキン『吹雪』『親衛隊士の日』、『青い脂』(共訳)、ザミャーチン『われら』など。

内容

舞台は1960年代のモスクワ郊外。殺人を重ねながら魂や死、彼岸の世界を追求する主人公フョードル・ソンノフ。彼がねぐらとするレベジノエ村の共同住宅には、世界を不条理で満たさなければ気がすまない異常性癖をもつ妹クラーワと、フォミチェフ家の人々――父のコーリャ、日がなごみ溜めを漁る長女リーダ、快楽の産物として子どもが生じることが許せない婿パーシャ、自らの疥癬を食す長男ペーチャ、現実を「見てはいない」次女ミーラ――が住まっている。
彼らに「蒙昧主義」を見いだし、自らの思想とのジンテーゼをはかる「形而上派」の面々がここに合流する。グノーシス的神秘思想の持ち主である「形而上的娼婦」アンナを中心に、彼らは「現実」を超越することを志向しながらそれぞれが独自の(超)独我論を展開していく。さらには敬虔なキリスト者であったものの死の間際に鶏になってしまう老人アンドレイ、セクトには属さず独自の道を歩む去勢者ミヘイらも加わり……。
消費社会に覆われた西側でニューエイジが生じたのと時を同じくして、表向き窒息するような社会主義体制下のソ連ロシアのアンダーグラウンドで息づいたもうひとつの精神世界。

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