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丸善のおすすめ度

だからあれほど言ったのに(マガジンハウス新書 022)

内田樹  著

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価格 \1,100(税込)         

発行年月 2024年03月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 242p
大きさ 18cm
ジャンル 和書/総記/総記/百科事典・辞典・各種辞典・地図・年表・人名事典
ISBN 9784838775231
商品コード 1038227938
NDC分類 304
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2024年05月1週
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1038227938

著者紹介

内田樹(著者):1950年生まれ。思想家、武道家、神戸女学院大学名誉教授、凱風館館長。著書に『ためらいの倫理学』(角川文庫)、『死と身体』(医学書院)、『街場のアメリカ論』(NTT出版)、『街場の中国論』(ミシマ社)、『日本辺境論』(新潮新書)、『街場の天皇論』(東洋経済新報社)、『レヴィナスの時間論』(新教出版社)、『コロナ後の世界』(文藝春秋)、『そのうちなんとかなるだろう』(マガジンハウス)など多数。

内容

不自由で、貧しく、生きづらい――
この国の不出来なシステムを
悪用するか、逃げ出すか、それとも……
ウチダ流「日本人論」最新刊!!

失われた30年で「不自由な国」になってしまった日本。
新自由主義の迷走ぶり、経済格差や税の不均衡、少子高齢化、低レベルな政治、大手企業の不祥事など問題が山積となっている。
社会全体に諦観が蔓延しており、一般市民は不自由さをも感じているが……。
「不自由な国」への警告の書!

<項目>
★“大人”が消えている ――日本の危機
★ アメリカの顔色をうかがう日本政府の悲哀
★ 属国の身分を利用するか、そこから逃げ出すか
★ 食文化は「経済」ではなく「安全保障」
★ 日本の「ダメな組織」の共通項
★ 「21世紀の囲い込み」を目指す、現代の資本主義
★ 村上春樹が描く「この世ならざるもの」 
★ 自然と文明社会の「境界線」を守る
★ 人生は「問題解決のため」にあるわけではない ……etc.

<本文より>
2011年に神戸に凱風館という道場を建てた。一階が道場で二階が自宅である。道場では合気道、杖道、居合、新陰流などいくつも武道を稽古しているが、それだけではなく、能楽、義太夫、上方舞、落語、演劇、パンソリ、オペラなどの公演を行っているし、人を招いての講演会もしている。その点では、公共の武道場やホールと同じである。違うのは、凱風館では、私が「やりたいこと」だけしかやらないということである。ここは「貸しホール」ではない。
そうではなくて、凱風館は一種の「コミュニティ」なのである。
つい先日も門人たちと連れ立って海水浴に行ってきた。十数人の団体なので、旅館一棟を貸し切りにしてもらう。みんなで泳いだり、BBQをしたり、お酒を飲んだり、おしゃべりしたりして二泊三日を過ごしてきた。
凱風館は武道の道場のはずなのだが、私が作った時のコンセプトは「昭和の会社みたいなところ」であった。
若い人はもう知らないだろうけれど、私が子どもだった頃、昭和20~30年代の日本の企業はどこも終身雇用・年功序列制だった。ある種の疑似家族だった。だから、父の部下たちはよくわが家にご飯を食べにきた。みんなで麻雀をやったり、碁を打ったり、ハイキングに行ったり、山登りしたり、会社の海の家へ行ったりした。その集まり方が私はとても気に入っていた。
しかし、日本の企業はその後、終身雇用・年功序列制を「旧弊」として廃棄し、アメリカからきた成果主義と能力主義に衣替えした。もう就職してから定年まで一つの会社に勤めるという雇用形態ではなくなった。それと同時に、会社が疑似家族であることもなくなった。もともと近代化・都市化によって、かつての地縁社会・血縁社会が消滅し、共同体機能をかろうじて代替していた疑似家族もなくなったのであるから、都市の住民たちはアトム化・砂粒化していった。
そういうのはよろしくないと私は思っていた。そこで

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