【熟語本位 英和中辞典新版:『斎藤英和』新版登場】

【概要】

英和辞典の古典「熟語本位 英和中辞典」は『斎藤英和』の通称で親しまれ、熟語を重視した圧倒的に多くの用例と懇切な解説、漢詩・和歌からかっぽれに至る様々な文体を駆使した訳文で、1915年の刊行以来100万を超える読者に支持されてきました。この新版は内容をそのままに、漢字・かな遣いを改め、ルビを施し、校注を付して現代の読者に読みやすく使いやすい形にしました。学習者、研究者、翻訳者からビジネスで英語に接する人にまでひろくお勧めします。全文検索のできるCD-ROM付。


『熟語本位』は当時の日本人の英語の理解度がいかに高かったかを知る上で極めて重要である。本書はその『熟語本位』を古典的英和辞典として、その記述内容にはいっさい手を加えていない。本書の意義は、日本の英学史、英語学史、英語教育史、英語辞書学史の金字塔である『熟語本位』の価値を再認識し、その内容の理解を助けることとともに,斎藤がいかに綿密に資料を収集したか,単に英語を日本語に直訳するのではなく,英語に対応する日本語,あるいは日本語に対する英語をいかに発見していったか、また、その優れた内容が今に至るまでいかに連綿と受け継がれてきたかを具体的に示すところにある。

八木克正「新版序」より抜粋

【「斎藤英和」の翻訳の例】

The white sails are relieved against the dark horizon.

白帆が暗き水平線に対照されて引立って見える(沖の暗いのに白帆が見ゆる)

――( )内は、かっぽれの歌詞

Heaven’s vengeance is slow but sure.

天網恢恢疎にして漏らさず

――中国のことわざを、著者が逆に英語に翻訳した例

How did you know that he was a spy?

何うして(独)探だと分かったか

――独探は「ドイツのスパイ」.初版刊行の1915年は第一次大戦中で,当時の流行語

Inscrutable are the ways of Heaven.

人間万事塞翁が馬 ――ことわざから

Love laughs at distance.

惚れて通えば千里も一里 ――都々逸の文句から

【組方見本】

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サンプルページ1

【著者】

斎藤秀三郎

明治・大正期を代表する英語学者・英語教育者で,特に教科書・辞典・文法書の編纂に業績を遺した.正則英語学校を創立.『熟語本位英和中辞典』のほか英語辞典の著作に『携帯英和辞典』『斎藤和英大辞典』『斎藤英和大辞典(未完.Hまで執筆)』がある.(1866~1929)

豊田実

英語学者.九州大学教授,青山学院大学初代学長.著書に『日本英学史の研究』など.(1885~1972)

八木克正

1944年生れ.関西学院大学名誉教授.『ユースプログレッシブ英和辞典』編集主幹.

熟語本位 英和中辞典 新 版 CD-ROM付

斎藤秀三郎著 豊田実増補
八木克正校注

岩波書店