【広辞苑 第七版】

【特 長】

【各界第一線の専門家が執筆】

 第六版に収録されている項目を分野ごとに抽出し、各界の専門家が全面的に校閲。文学・歴史から物理学・医学、美術・音楽に武芸・茶道、スポーツ・サブカルチャーまで、学問の研究の進展や最新の動向を反映し、また旧版の不備を補うなどして、より正確で簡潔な解説に改めました。一方、現代生活や各分野の理解に必須の言葉を新たに選定、執筆していただいています。

【言葉の変化、意味の違いをみつめる】

 世の中の激しい動きにともない、言葉の意味も変化していきます。新しく生じた意味は、その定着度を吟味しながら過不足なく加えました。また、言葉を発信する機会が増え、それぞれの言葉の意味を的確に把握し表現したいというニーズも増しています。動詞・形容詞を中心に類義語の意味の違いが分かる語釈を追求しました。

【日本語の基礎を見直す】

 言葉の根本の意味をきちんととらえた上で、歴史的な意味変化に沿って語釈を与えるのが『広辞苑』の流儀。その基本に立ち返り、「万葉集」「源氏物語」など古典から引用した用例を総点検しました。その結果、基礎語の語釈を全面的に書き換えたり、見出しの形を改めたりした例も少なくありません。その他の古語項目もさらに充実させました。

【新たに1万項目を追加】

 第六版刊行後に収集した言葉に加えて、旧版までは採用しなかった言葉もあらためて検討し、日本語として定着した語、または定着すると考えられる言葉を厳選。新加項目は約一万に達しました。ネットで何でも検索できる時代だからこそ、言葉の使用場面を越えた中心的な意味を一読して把握できるように、余分な言葉をそぎ落とし洗練した語釈を付しました。

【用紙・造本の質をさらに向上】

 第七版の本冊は第六版よりも一四〇ページ増加、しかし厚さは変わりません。製本機械の限界である八㎝に収まるように、さらに薄い紙を開発した結果です。しかも、手に吸い付くような、めくりやすい「ぬめり感」は保持したまま。これを高度な印刷・製本技術で一冊にまとめています。大型の「机上版」は、多くの方からご好評をいただいている二分冊です。

広辞苑 第七版

岩波書店

2018年1月12日刊行予定

完成記念特別価格(2018年6月30日まで)

普通版(写真左)

ISBN : 978-4-00-080131-7

菊判・クロス装・上製函入・3216頁・別冊付録424頁

机上版(写真右)

ISBN : 978-4-00-080132-4

B5判・クロス装・上製函入(本文2分冊)・3216頁・別冊付録424頁

特に力を入れた分野の例

  • 明治以降の近代の用例を大幅に増補。文学作品のほか、新聞記事で使われた例も多く収録。
  • 地震・火山噴火・豪雨などによる自然災害や地球への関心の高まりに応じて、地球科学・気象・海洋関連語を充実。
  • 宇宙誕生から人類誕生までの研究の進展を反映。
  • インターネットやSNSの普及により、日常生活で多用されるようになったIT用語・ネット用語を重視。
  • 医学・薬剤関係の言葉が検索される機会が増えていることを受けて、病院や薬局でよく耳にする用語を増補。
  • 遺伝子解析にもとづいた生物の系統関係の見直しに対応。動植物の分類は大幅に見直し、植物では伝統的な旧体系での分類も併記。
  • 世界遺産、伝統的建造物群保存地区、各地の城郭など、史跡や旅行関係の地名を充実。
  • 料理・スポーツ・ポピュラー音楽・アニメなど日ごろ身近な分野も重視し、大幅に項目を増補。

【予約特典】

小冊子「広辞苑をつくるひと」(文庫判)

三浦しをんさん(小説『舟を編む』で2012年本屋大賞を受賞)の、『広辞苑 第七版』製作の現場を訪ね歩いたルポエッセイを、ご予約くださった方限定でプレゼントします。訪問先は、国立国語研究所、大日本印刷株式会社の秀英体開発部、古生物学者とイラストレーターのコンビ、株式会社加藤製函所、牧製本印刷株式会社。熱き仕事人たちを、温かく見つめ描いた入魂の作。書下ろし。

【記念品・ご贈答には「名入れ広辞苑」】

贈り主の名前を入れた「名入れ広辞苑」はこんな時におすすめです。
創業・創立記念に/卒業・入学記念に/受賞・表彰記念に/勤続・定年記念に/結婚式の引き出物に/長寿のお祝いに
特別定価提供期間中(2018年6月30日まで)は10部より承ります(無料)。 それ以降は30部より承ります(無料)。

【新加項目】

地名

人名

科学・自然

人文・社会

カタカナ語

現代語

美瑛

上北

浜通り

三陸復興国立公園

渡良瀬遊水地

白岡

富岡製糸場

東京スカイツリー

神楽坂

西之島

伊根

熊野古道

しまなみ海道

軍艦島

口永良部島

識名園

今帰仁城(なきじんグスク)

渡嘉敷島

新北

西沙群島

ハロン

金角湾

サマワ

ヨーク

コッツウォルズ

アマルフィ

黄金の環

デナリ

ケイマン諸島

南スーダン

高倉健

立川談志

つかこうへい

鶴見和子

勅使河原宏

土井たか子

土光敏夫

戸塚洋二

中内功

南部陽一郎

原節子

文在寅

劉暁波

アレクシエーヴィチ

オバマ

(ピエール)カルダン

(マイケル)ジャクソン

(スティーヴ)ジョブズ

スピルバーグ

チャスラフスカ

(ボブ)ディラン

ベッケンバウアー

ゲリラ豪雨

再生医療

シェール‐ガス

腫瘍マーカー

燭台大蒟蒻

新型インフルエンザ

真正双子葉植物

鈴木カップリング

スタチン

スノーボール‐アース

スピノサウルス

ディープ‐ラーニング

ニホニウム

ネオジム磁石

年縞

はやぶさ

パンデミック

ブレーン宇宙論

ミラー‐ニューロン

ラミダス猿人

量子暗号

ロコモティブ症候群

革新自治体

強制起訴

限界集落

健康寿命

再帰性

殺処分

指定難病

消費者庁

戦争遺跡

庭前の柏樹子

ねじれ国会

八角墳

ハラーム

東日本大震災

ビットコイン

ブラック企業

ふるさと納税

法テラス

マタニティー‐ハラスメント

民間軍事会

雇い止め

四つの口

グランドデザイン

クリアファイル

コインパーキング

サプライズ

スピンオフ

スマホ

スルー

チュロス

ツイート

デトックス

ドクターヘリ

ネイルサロン

ハニートラップ

バリスタ

パワースポット

ビッグマウス

フードコート

ブロガー

メアド

リスペクト

リマインド

レジェンド

加齢臭

口ぱく

小悪魔

ごち

小腹が空く

婚活

雑味

直箸

自撮り

勝負服

白物家電

戦力外

卒乳

立ち位置

ちゃらい

名ばかり

乗り乗り

万人受け

美品

惚れ直す

賄い料理

無茶振り

【ここが新しくなりました】

日本語の足もとを見すえ、日本語の将来を展望する

基礎語の意味を的確に

日本語の基礎的な言葉の意味を分析しなおし、類義語(似た意味の言葉)との意味もすっきり分かるようにしました。

※↓クリックすると拡大画像が見られます。

理解を助ける図版も増加

写真以上に、その事物の特徴を抽象化して分かりやすく示すことができるのが線画です。ある図版は描き直し、ある図版は新たに追加しました。

社会が変われば解説も変わる

第六版刊行からの10年間で世の中が大きく変わりました。それにともなって辞典の解説もアップデートしています。

新しい語義を追加

昔からある言葉でも、時代とともに意味が広がることがあります。たとえばこんな言葉に新しい意味が加わりました。

【旧版との比較】

初版をご愛用の方へ──

初版では、「おおかみ(狼)」は「おうかみ」という仮名見出しで掲載しています。「おおかみ」も「おうさま(王様)」も最初の「オー」の音は同じなので、同じように引けるようにとの考えによるものでした。今では学校で習う「現代仮名遣い」がすっかり定着したため、「おおかみ」が見出し表記となっています。

二版・二版補訂版をご愛用の方へ──

二版までは、動詞は文語形が主項目になっています。つまり「上げる」ではなく「上ぐ」、「満ちる」ではなく「満つ」に意味が書いてあり、「上げる」「満ちる」は参照用の見出しです。文語形を思いつかなければ、引く手間が二度になってしまいます。今はもちろん「上げる」「満ちる」に意味が記述されています。

三版をご愛用の方へ──

「じ」と「ぢ」、「ず」と「づ」は現代の日本語では同じ発音です。三版までは、それらをすべて「じ」「ず」で引けるようにと考え、「鼻血」は「はなじ」、「三日月」は「みかずき」を見出しとし、そこを引くと「はなぢ」「みかづき」という仮名遣いが分かる仕組みになっていました。今は、現代仮名遣いの「はなぢ」「みかづき」が見出しになっています。

四版をご愛用の方へ──

「明ける」「開ける」「空ける」など同訓の漢字の使い分けは迷うものです。四版までは語義番号の下に《 》で大まかな書き分けを示していましたが、五版からは項目末尾に「◇」でコラム的な解説を設けています。また、日常的に使われるアルファベット略語が急増しています。五版からは付録にその一覧を付け、現在は別冊化してさらに充実しています。

五版をご愛用の方へ──

解説文を見ると「変る」「落す」などという送り仮名が目につきませんか。内閣告示「送り仮名の付け方」によれば、「変わる」「落とす」(本則)、「変る」「落す」(許容)のどちらも間違いではありませんが、学校で習うのは「変わる」「落とす」。「許容」の送り仮名に違和感を覚える方が増えたので、第六版からは「本則」に変更しました。

こんなに変わった!? 語義の変遷
例えば「パンダ」という項目では……

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その他にも、版を重ねるごとに変わってきた見出しや解説の数々

  • 「サッカー」は、初版では「ア式蹴球」で解説されており、「サッカー」は「ア式蹴球」への参照用の見出しでした。
  • 「バレンタイン‐デー」は第二版から掲載されていますが、チョコレートに関する記述が加わったのは第六版から。
  • 当初は東海道新幹線だけだった「新幹線」は、開通した路線が増えるたびに『広辞苑』の記述も次々と変化。第四版では「国鉄」から「JR」になったという変更も。
  • 「ペンギン」は、項目としては初版からありますが、第七版ではアデリー、エンペラー、キング、フンボルト、イワトビなど各種を項目として立てました。
  • 句作をなさる方にご重宝いただいている「季語」マーク。これを初めて付けるようになったのは第四版で、その後も少しずつ増やしています。

【推薦のことば】

大隅良典 (分子生物学・東京工業大学栄誉教授)

文化を支える言葉と辞書の役割

もう五〇年以上も前の話になるが、大学入学のお祝いに兄から広辞苑をプレゼントしてもらった。以来自宅と研究室の書棚には広辞苑が並んでいる。その国の文化を支えているのは言葉であり、時間を掛けて編纂され、ずっしりと重い広辞苑の役割は大変大きい。だが、最近自分でページを繰る作業はめっきり減って、手軽にパソコンに手を伸ばしていることが多くなっている。私も含め現代人が、どのように余裕をもって主体的に生きて行くのかが、問われているようにも感じている。

田中優子 (法政大学総長)

頼もしい「不易」の後ろ盾

『広辞苑』をはじめとする国語辞典は頻繁に引いている。漢字に少しでも不安があれば引き、意味に疑問が生じれば引き、ニュアンスにあいまいな点があれば引く。確認できれば良し。新しい知識を得る場合もある。たとえば「棹さす」という言葉を引いてみる。流れに逆らう意味に使う人もいて、ほんとかな? と思う。ああやっぱり、逆に時流に乗る意味だった。「情に棹させば流される」のであるから、流れに乗るのだ。国語辞典は不易流行における不易の後ろ盾なのである。頼もしい。

青柳正規 (美術史・東京大学名誉教授)

広辞苑で「ぬばたま」と出会う

山中湖にはヒオウギが自生している。剣状の葉が扇のように広がり、黄赤色の花をつけた花茎とともに凜としたすがたで雑草の中なかからたちあがっている。日当たりのよい、しかし湿気を含む窪地のようなところに繁殖するようである。広辞苑で見るとその種子は「ぬばたま」もしくは「うばたま」といい、黒や夕暮れの枕詞にもなるという。いつか形容詞として使いたいが堆黒のような漆黒そのものにしかふさわしくなさそうで、なかなか機会がない。

池澤夏樹 (小説家・詩人・翻訳家)

広辞苑によれば……

家族との会話でも友人との議論でも、一つの言葉の意味を確定しないと話が先へ進まないことがある。「広辞苑によれば……」という定型表現はこの事態を指している。

世に辞書や事典は多いが、広辞苑は一語ずつの説明の分量と全語数のバランスがよい。だからこそ二十数万語を入れてしかも一冊にまとめることができる。

現代の消費社会は勝手に新語を作りたがるけれど、本当に長く使われる語であるか否かの判定はむずかしい。そのためにある種の権威が要ると考えれば、広辞苑は充分な権威を備えている。

出口治明 (ライフネット生命保険株式会社創業者)

抜群に面白い「座右の書」

新人の頃仕事を早く終えて本を読んでいると上司に𠮟られた。しかし辞典を読んでいると何も言われなかった。そこで図書室から辞典類を順次借りてきて適当にページを開けては読んでいたが、広辞苑が抜群に面白かった。単なる辞書の域を超えてコンパクトな百科事典となっていたからだ。

「逆引き」が発売されたときは驚愕したが、また、これが引き慣れてくると無類に楽しい。広辞苑は、この五〇年、迷ったら引く僕の「座右の書」である。

安彦良和 (漫画家・アニメ監督)

頼りになる『広辞苑』

もう七〇年ちかくも日本人をやってきているのに、母国語しか知らない私の日本語はどうも覚束ない。それで辞書に頼る。辞書は専ら広辞苑だ。ただ、広辞苑は大きくて重いから難儀をしていたら知人から電子辞書を教えられた。それで助かって、広辞苑は更に身近になり、だいたいいつも、左手を伸ばせば届く所に居てくれる。心強い限りだ。

柳家喬太郎 (落語家)

今年の一頁

調べ物をするのに、ネットも便利には違いないけど、辞書を手に取り、頁をめくり、言葉を探す、あの感覚はまた格別です。

我々落語家も噺を覚えるとき、ただ音源を聴いたり本を読んだりするだけよりも、やはり先輩と面と向かって、直に稽古をつけて頂いた方が、ずっと体に入ってきます。

なんだか、それと似ている気がするのです。あたらしい広辞苑を指でめくって、今年の喬太郎の落語を産み出す事が、苦しいながらも、我ながら楽しみなのです。

みうらじゅん (エッセイスト・イラストレーター)

マイブームと広辞苑

「ない」カテゴリーのネーミングを考えるのが僕の仕事と勝手に思い込んでいる。

『マイブーム』や『ゆるキャラ』もその作例で、相反した単語をくっ付けた。ネーミングが出来ると、そもそも「ない」ものがさも「ある」ように思えてきて、僕はそれに関するものを集め出す。無駄な努力と無駄な量がモットー。

世間はそれを見てようやく僕の患った「ない仕事」に気付く。流布するネーミングはたまたまで何百もの不発が僕の頭に未だ眠っているのである。