【大江健三郎全小説 全15巻】

発表以来一度も書籍化されたことのなかった「政治少年死す」を含む入手困難な小説群を収録、さらに詳しい解説を付した全集決定版。

1957年に大学生として瞠目のデビューを果たして以来60年、その革新的なテーマと文体で常に現代日本文学の最前線を走ってきた大江健三郎。 青年の苦悩、政治と性、共生、神なき祈り、魂の救済──ノーベル文学賞作家の文学の全貌を、わかりやすい解説を付して編集した全集決定版!

大江健三郎(おおえ・けんざぶろう)

1935年1月、愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)に生まれる。東京大学フランス文学科卒業。大学在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を受賞する。同様に在学中の'58年、当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞、'64年『個人的な体験』で新潮文学賞、'67年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、'73年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、'83年『「雨の木」(レイン・ツリー)を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、'84年「河馬に噛まれる」で川端賞、'90年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。'94年には、「詩的な力によって想像的な世界を創りだした。そこでは人生と神話が渾然一体となり、現代の人間の窮状を描いて読者の心をかき乱すような情景が形作られている」という理由でノーベル文学賞を受賞した。 ほかの長編代表作に『芽むしり仔撃ち』『同時代ゲーム』『懐かしい年への手紙』『燃えあがる緑の木』『取り替え子(チェンジリング)』『晩年様式集(イン・レイト・スタイル)などがある。

大江健三郎全小説

大江健三郎全小説

著:大江健三郎 装丁:鈴木成一デザイン室

講談社

A5判 全15巻

2018年7月刊行開始予定

85,400円(税別)

※装丁デザイン・収録作品など、告知の内容が変更になる場合があります。

『大江健三郎 全小説』全巻予約プレゼント

「大江健三郎全小説」全15巻ご予約の方には、
【1】著者直筆サイン色紙
【2】直筆原稿レプリカ(『晩年様式集』冒頭部分1枚)
【3】「群像」連載リレーエッセイ「大江健三郎」集成(※現役作家12名による“大江健三郎体験”エッセイをまとめた24ページの小冊子の予定)
を贈呈いたします。

【1】 

【2】 

※プレゼントは変更になる場合があります。

※特典の発送は、2018年冬ごろを予定しております。

プレゼント申込締切:2018年9月末日

【各巻詳細】

大江健三郎全小説 第3巻

大江健三郎全小説 第3巻

ISBN:978-4-06-509000-8

第1回配本

2018年07月刊行予定

1961年の雑誌発表以来、一度も書籍化されることのなかった「政治少年死す」を含む1964年までの初期短編群その3。 性、政治、青年の苦悩を真正面から赤裸々に描く。

【収録作品】
セヴンティーン/政治少年死す──セヴンティーン第二部/幸福な若いギリアク人/不満足/ヴィリリテ/善き人間/叫び声/スパルタ教育/性的人間/大人向き/敬老週間/アトミック・エイジの守護神/ブラジル風のポルトガル語/犬の世界

──初期作品群その3

大江健三郎全小説 第7巻

大江健三郎全小説 第7巻

ISBN:978-4-06-509001-5

第1回配本

2018年07月刊行予定

日本近代の百年の心象風景を、故郷の土俗的背景と遡行する歴史的展望において捉え、戦後世代の切実な体験を文学的形象として結晶化した傑作(『万延元年のフットボール』)。「いまや『洪水』が目前にせまっているという声は、一般的となっている。その時、想像力的に同時代を生きなおす、ということは現実的にはいみがあるであろう」(著者・『洪水はわが魂に及び』)

【収録作品】
万延元年のフットボール(1967年)
洪水はわが魂に及び(1973年)

──ノーベル賞受賞をもたらした作品ほか

大江健三郎全小説 第1巻

大江健三郎全小説 第1巻

ISBN:978-4-06-509002-2

第2回配本

2018年09月刊行予定

1958年、大学在学中の当時史上最年少23歳で芥川賞を受賞した「飼育」をはじめ、「奇妙な仕事」「死者の奢り」「他人の足」などデビュー前後の鮮烈な初期短篇の数々を収録、ほかに最初期長編として名高い『芽むしり仔撃ち』、『われらの時代』を含む。小説家としての第一歩をしるす記念碑的な作品群。大江文学はここから始まった!

【収録作品】
奇妙な仕事/他人の足/死者の奢り/石膏マスク/偽証の時/動物倉庫/飼育/人間の羊/運搬/鳩/芽むしり仔撃ち/見るまえに跳べ/暗い川・重い櫂/鳥/不意の唖/喝采/戦いの今日/部屋/われらの時代

──初期作品群その1

大江健三郎全小説 第5巻

大江健三郎全小説 第5巻

ISBN:978-4-06-509003-9

第3回配本

2018年10月刊行予定

障害者の息子との共生を描く作品群。「ぼくはすでに自分の言葉の世界にすみこんでいる様ざまな主題に、あらためて最も基本的なヤスリをかけようとした。すなわち、個人的な日常生活の癌のように芽ばえた異常を核にして、そのまわりに、欺瞞と正統、逃亡することと残りつづけること、みずからの死と他者の死、人間的な性と反・人間的な性というような命題を結晶させ、再検討することを願ったのである」(著者・『個人的な体験』)

【収録作品】
空の怪物アグイー
個人的な体験
ピンチランナー調書
新しい人よ眼ざめよ

──共生

大江健三郎全小説 第2巻

大江健三郎全小説 第2巻

ISBN:978-4-06-509004-6

第4回配本

2018年11月刊行予定

「リアリスチクに現代日本の青年をえがきだすこと、それを、現実から疎外された青年をえがくべく試みるということとして、この作品のテーマの位置においたことを、私は決してまちがっていたとは思いません。しかし、達成された作品がはたして日本の現代の青年をリアリスチクにえがきだしているかの批判は、それも否定的な批判は、この作品の上梓にあたって再び激しくおこなわれるだろうと思います」(著者・『孤独な青年の休暇』)

【収録作品】
ここより他の場所/共同生活/上機嫌/勇敢な兵士の弟/報復する青年/後退青年研究所/孤独な青年の休暇/遅れてきた青年/下降生活者

──初期作品群その2

大江健三郎全小説 第4巻

大江健三郎全小説 第4巻

ISBN:978-4-06-509005-3

第5回配本

2018年12月刊行予定

「今度の中篇集で、癌か狂気してか死の床にある男が、子供のころ父親と加わった、天皇の名のもとの反乱を再現しようとする。また、月への打ち上げを恐怖して、宇宙船基地を逃げた男が、現人神(アラヒトガミ)に救われることを夢みる・・・・・これらの、自由をおしつぶされる悲鳴と救済をもとめる叫び声を、時にはユーモラスにあげている男たちが、僕にとっての「同時代」なのです(著者・『みずから我が涙をぬぐいたまう日』)

【収録作品】
走れ、走りつづけよ/生け贄男は必要か/狩猟で暮らしたわれらの先祖/核時代の森の隠遁者/父よ、あなたはどこへ行くのか?/われらの狂気を生き延びる道を教えよ/みずから我が涙をぬぐいたまう日/月の男(ムーン・マン)/水死

──父と天皇制

大江健三郎全小説 第6巻

大江健三郎全小説 第6巻

ISBN:978-4-06-509006-0

第6回配本

2019年01月刊行予定

いましめくくりの時のはじめに、八つの短篇を書いて、そこに映る自分を見る。切実な時代の影に、個の生の苦渋のあとは見まがいがたいが、ユーモアの微光もまんべんなくある。思いがけないのは、女性的なものの力の色濃さだった。遠い幼年時の自分と、それほど遠くないはずの死、また「再生」を思う自分を結んでいる。知的な経験と、森のなかの谷間の神話を、懐かしく媒介しているのも女性的なものだ(著者・『いかに木を殺すか』)

【収録作品】
身がわり山羊の反撃/「芽むしり仔撃ち」裁判/揚げソーセージの食べ方/グル―ト島のレントゲン画法/見せるだけの拷問/ヒメコの大抜け穴/もうひとり和泉式部が生まれた日/その山羊を野に/「罪のゆるし」のあお草/いかに木を殺すか/ベラックヮの十年/夢の師匠/宇宙大の「雨の木(レイン・ツリー)」/火をめぐらす鳥/「涙を流す人」の楡/僕が本当に若かった頃/マルゴ公妃のかくしつきスカート/茱萸(ぐみ)の木の教え・序

──中期傑作短・中編

大江健三郎全小説 第14巻

大江健三郎全小説 第14巻

ISBN:978-4-06-509007-7

第7回配本

2019年02月刊行予定

個性の塊のような親友に導かれての『日常生活の冒険』。自らの意志でむこう側へ行ってしまった友―義兄の映画監督との関係を描き、著者に「私の一生の中で、最も大切な三作のひとつであると思います」と言わしめた『取り替え子(チェンジリング)』。滑稽かつ悲惨な老年の冒険をつうじて、死んだ母親と去った友人の「真実」を探す『憂い顔の童子』。魂に真の和解はあるのか?

【収録作品】
日常生活の冒険
取り替え子(チェンジリング)
憂い顔の童子

──親しい友人の死

大江健三郎全小説 第15巻

大江健三郎全小説 第15巻

ISBN:978-4-06-509008-4

第8回配本

2019年03月刊行予定

「おそらく最後の小説を、私は円熟した老作家としてではなく、フクシマと原発事故のカタストロフィーに追い詰められる思いで書き続けた。しかし70歳で書いた若い人たちに希望を語る詩を新しく引用してしめくくったとも、死んだ友人たちに伝えたい」(著者・『晩年様式集(イン・レイト・スタイル)』)。国家の巨大暴力に対抗するため、個の単位の暴力装置を作る老人を描く『さようなら、私の本よ!』

【収録作品】
さようなら、私の本よ!
晩年様式集(イン・レイト・スタイル)

──カタストロフ 3.11

大江健三郎全小説 第8巻

大江健三郎全小説 第8巻

ISBN:978-4-06-509009-1

第9回配本

2019年04月刊行予定

「古代から現代にいたる神話と歴史を、ひとつの夢の環にとじこめるように描く。場所は大きい森のなかの村だが、そこは国家でもあり、それを超えて小宇宙でもある。創造者であり破壊者である巨人が、あらゆる局面に立ちあっている。語り手がそれを妹に書く手紙の、語りの情熱のみをリアリティーの保障とする。僕はそういう方法的な意図からはじめたが、しかしもっと懐かしい小説になったと思う(著者・『同時代ゲーム』)

【収録作品】
M/Tと森のフシギの物語
同時代ゲーム

──森の神話

大江健三郎全小説 第9巻

大江健三郎全小説 第9巻

ISBN:978-4-06-509010-7

第10回配本

2019年05月刊行予定

危機にある男を励ます女―『「雨の木(レイン・ツリー)を聴く女たち』。大きな悲哀を負った女性の再生―『人生の親戚』。障害を持った兄との生活を通して家族・社会・時代、人間の未来を考える妹―『静かな生活』。美しい国際派女優をめぐる過去の事件と新たなもくろみ―『臈たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ』。女性的なるものの力に宿る希望と再生を主題にした4つの傑作長編小説。

【収録作品】
「雨の木(レイン・ツリー)」を聴く女たち
人生の親戚
静かな生活
臈たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ

──女性的なるものの力

大江健三郎全小説 第10巻

大江健三郎全小説 第10巻

ISBN:978-4-06-509011-4

第11回配本

2019年06月刊行予定

人類は荒廃した地球から百万人を新しい惑星に送り出したが、10年後その大船団が戻ってくるという(『治療塔』。宇宙移民に失敗した朔ちゃんと残留者リッチャンに驚くべき知性を示す子供が生まれるが、地球の荒廃がさらに進んだため、謎の治癒力を持つとされる「治療塔」探索のため再び宇宙に旅立つ(『治療塔惑星』)。さらに著者初のファンタジー・ノベル『二百年の子供』を収録。時空を超えたSF的空想力!

【収録作品】
治療塔
治療塔惑星
二百年の子供

──時空を超えたSF的試み

大江健三郎全小説 第11巻

大江健三郎全小説 第11巻

ISBN:978-4-06-509012-1

第12回配本

2019年07月刊行予定

「自分のなかに『祈り』と呼ぶほかないものが動くのを感じてきた。生涯ただ一度書きえる、それを語りかける手紙。その下書きのように、この小説を書いた。故郷の森に住んで、都会の「僕」の師匠(パトロン)でありつづける友。かれは事故のようにおそう生の悲惨を引き受けて、荒あらしい死を遂げる。かれは新生のため、また自分のもう一つの生のために、大きい懐かしさの場所をつくらねばならない(著者・『懐かしい年への手紙』)

【収録作品】
河馬に噛まれる
懐かしい年への手紙
キルプの軍団

──理想郷の建設・学生運動

大江健三郎全小説 第12巻

大江健三郎全小説 第12巻

ISBN:978-4-06-509013-8

第13回配本

2019年08月刊行予定

お祖母ちゃん(オーバー)の魂を受け継ぎ「救い主」となったギー兄さんは当初人々から偽物と見なされる。次第に賛同者をふやし、現代人の魂の救済を模索してゆく模様を、独特の性遍歴を経たサッチャンが記録してゆく。教会分裂の危機の中で襲撃され障害者となるギー兄さん。最後の決断と死、未来への大いなる励ましとは何か?

【収録作品】
「救い主」が殴られるまで──燃えあがる緑の木 第一部
揺れ動く〈ヴァシレーション〉──燃えあがる緑の木 第二部
大いなる日に──燃えあがる緑の木 第三部

──魂の救済

大江健三郎全小説 第13巻

大江健三郎全小説 第13巻

ISBN:978-4-06-509014-5

第14回配本

2019年09月刊行予定

いったんは「神」と信者をコケにした棄教者のリーダーが戻ってきた。脇腹に「聖痕」を刻んで・・・。 いったい教会は再建されうるのか? そして神なしの祈りはありえるのか? 「世紀末の闇の深さ、希求する若い魂の激しさ。それをリアルに、明快に書くことをねがった。ひとり少年時に聞いた『神』の声を追いもとめる若者も、死の前に生きなおすことを企てる初老の男も、自分だと思う」(著者)。

【収録作品】
宙返り

──神なき祈り

※収録作品、配本順は変更になる場合があります。