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亡命者(講談社文芸文庫 たL5)

高橋 たか子  著

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価格 \1,980(税込)         

発行年月 2022年05月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 350p
大きさ 16cm
ジャンル 和書/人文科学/文学/日本文学
ISBN 9784065277515
商品コード 1034483043
NDC分類 913.6
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2022年06月2週
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1034483043

著者紹介

高橋 たか子(著者):高橋たか子(1932.3.2~2013.7.12) 作家。京都市生まれ。京都大学文学部修士課程修了。修士論文は仏語で「モーリアック論」。大学卒業後に結婚した高橋和巳の創作活動を支える一方、自らも小説・評論を書き続ける。71年に夫を亡くした後洗礼を受け、日本とフランスを往復しながら霊的生活と作家活動を送る。『空の果てまで』の田村俊子賞を始め、『誘惑者』で泉鏡花賞、『怒りの子』読売文学賞、『きれいな人』毎日芸術賞など多くの文学賞を受賞。

内容

夫と死別し、神とは何かを求めてパリに飛び立った私。極限の信仰を求めてプスチニアと呼ばれる、貧しい小さな部屋に辿り着くが、そこは日常の生活に必要なもの一切を捨て切った荒涼とした砂漠のような部屋。個人としての「亡命」とは、神とは、宗教とは何か。異邦人として暮らし、神の沈黙と深く向きあう魂の巡礼、天路歴程の静謐な旅。
著者を敬愛する芥川賞作家石沢麻依による解説を巻末収録。

"……私は、内部からパアッと照らしだす光の中にいた。生まれて以来、何処にいても、居場所でないと感じつづけた、わけが、わかった。わかった、わかった。と、何かが叫んでいた。逆なのです、わたしたちすべて、人間すべて、あちらからこちらへ亡命してきているのです。あちらへと亡命するのではなく、この亡命地からあちらへ帰っていくのです。かつて、そこに居たのですから。”──本文より

芥川賞作家石沢麻依さん大推薦! 待望の文芸文庫化。
「『亡命者』は私にとっても思い入れの深い作品です。初めて読んだ時は、それまでの作風との違いに困惑したものの、最後のページにたどり着く頃には、深い白と青の光景に言葉を失くしました。入れ子構造の巡礼世界に、こんな領域まで言葉がたどり着けるのか、と畏れも感じた覚えがあります。そして、現在、自分がドイツにいることにより、個人としての「亡命」とは何なのかを考えさせられています。」

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