著者紹介
金子 光晴(著者):一八九五(明治二八)年愛知県生まれ。詩人。早大、東京美術学校、慶大中退。一九一九(大正八)年第一詩集『赤土の家』刊行後渡欧し、ボードレール、ヴェルハーレンに親しむ。二三年詩集『こがね蟲』で詩壇に認められる。二八年作家である妻・森三千代と東南アジア、ヨーロッパ放浪の旅に出発(三二年帰国)。三五年詩「鮫」を発表以来、多くの抵抗詩を書く。詩集に『落下傘』『蛾』『女たちへのエレジー』『人間の悲劇』『IL』、小説『風流尸解記』、自伝『どくろ杯』『ねむれ巴里』『西ひがし』などのほか、『金子光晴全集』(全十五巻)がある。一九七五(昭和五〇)年没。
森 三千代(著者):一九〇一(明治三四)年愛媛県生まれ。詩人、作家。金子光晴の妻。東京女子高等師範学校中退。二七年詩集『竜女の眸』を刊行。二八年から三二年まで夫と東南アジア、ヨーロッパを放浪。三四年詩集『東方の詩』刊行、のち小説に転じる。主な作品に『巴里の宿』『小説和泉式部』など。一九七七(昭和五二)年没。
内容
僕が旅立ちたいわけは、だがあんまり災難が多いからだ――上海、マレー半島、インドネシア、パリ。『マレー蘭印紀行』『どくろ杯』等にも綴られた詩人と妻の計画も希望もない四年に及ぶ放浪の旅を、本人たちへのインタビュー、その旅に魅せられた21人のエッセイで辿る。全集月報ほか単行本未収録作品多数。
文庫オリジナル
(目次より)
Ⅰ 金子光晴、旅を語る
不穏な漂泊者(聞き手:開高健)
人生五十年、あとは急降下(対談:寺山修司)
Ⅱ 金子光晴の周辺 (森三千代/聞き手:松本亮)
戦友だなんて、そんな……/ジャワでの話/パリへ/パリでの話/『こがね蟲』のあと/〝放浪〟のあとさき/徴兵断わりのこと/両親のことなど
Ⅲ 金子光晴と私
『マレー蘭印紀行』『詩人』『新雑事秘辛』(松本亮)
『どくろ杯』『ねむれ巴里』『西ひがし』(秋山清)
光晴夫妻と巴里での出会い(永瀬義郎)
金子光晴の「時間」(阿部良雄)
あくび(茨木のり子)
金子光晴について(吉本隆明)
悪友金子光晴と私(中西悟堂)
詩の蘇生に向かう放浪のヴェクトル(清岡卓行)
「生きている」流浪者の眼(窪田般彌)
怪物が死んだ(草野心平)
地獄の見世物としてのパリ(田村隆一)
Ⅳ 金子光晴を旅する
螢の樹(奥本大三郎)
空白の海を越えて(小林紀晴)
金子光晴と森三千代を知らない(島尾伸三)
金子光晴(福田和也)
暇と求婚(角田光代)
「自由な関係」を探しに(山崎ナオコーラ)
私がいちばん読み返した本(高野秀行)
旅の混沌(沢木耕太郎)