著者紹介
福田恆存(著者):福田恆存
大正元年(一九一二)、東京に生まれる。東京帝国大学文学部英文学科を卒業。戯曲『龍を撫でた男』で第四回読売文学賞戯曲賞、「『シェイクスピア全集』の訳業」で第二回岸田演劇賞、第十九回読売文学賞研究・翻訳賞、「『ハムレット』の翻訳・演出」で芸術選奨文部大臣賞、『私の國語敎室』その他で第十二回読売文学賞評論・伝記賞を受賞。戯曲に『キティ颱風』『有間皇子』『明智光秀』『億万長者夫人』『解つてたまるか!』『ドン・キホーテ日本に現る』など、評論に『人間・この劇的なるもの』、訳書にエリオット、ロレンス、ヘミングウェイのものなど多数。『福田恆存全集』(全八巻)『福田恆存翻訳全集』(全八巻)『福田恆存評論集』(全二十巻、別巻一巻)がある。平成六年(一九九四)没。
内容
愛、嫉妬、復讐心、懐疑。悪のどん底までおりていった先に待ち受ける罰と、衝動からの解放――。実生活ではとても生きられぬ激しい人生を生き抜いたという実感を味わう喜びを与え、時代や国を超えて人々を激情の渦に巻き込むシェイクスピアの主要19作品を解題。
日本におけるシェイクスピア翻訳の礎を築いた著者が、定本や改訂についての考証、作品に影響を与えた歴史的背景や先行作品の紹介などを交えつつ、シェイクスピアの天稟の才がきらめく壮大な作品世界を解き明かす。
〈巻末エッセイ〉福田 逸
【目次】
シェイクスピアの魅力
リチャード三世/タイタス・アンドロニカス/じやじや馬ならし/夏の夜の夢/ロミオとジュリエット/リチャード二世/ヴェニスの商人/ヘンリー四世/空騒ぎ/お気に召すまま/ジュリアス・シーザー/ハムレット/マクベス/オセロー/十二夜/リア王/アントニーとクレオパトラ/コリオレイナス/あらし
〈巻末エッセイ〉福田 逸