内容

目次

はじめに―「バカ」といったやつが「バカ」？ 序章　排外主義再考 排外主義者は「バカ」なのか？　　 排外主義者とは誰か？　　 排外主義者へのフィールドワークをめぐる困難　　 調査者も〈バカ〉である　　 排外主義と構造的差別　　 在日コリアンとは誰か？　　 複数的現実を描き出す　　 ラップ的思考と実践によって明らかになるリアリティ　　 本書の構成　　 第Ⅰ部　排外主義者とは誰か 第１章　ヤンキー文化から排外主義へ ヤンキーはどこへ行ったのか？　　 盗んだバイクで走りだせない理由　　 環境管理の果てに　　 ヤンキー文化から排外主義へ　　 ヤンキーへ／の眼差しを取り戻す　　 第２章　「バカ野郎」の排外主義 ヘイトスピーチの現場から見えてくる奇妙な三角関係　　 ヘイトスピーチの「境界（グレーゾーン）」に目を向ける　　 路上から消え去った者たちの現在と多様性　　 反知性主義に向き合う　　 ネズミ男的なセンスを身につける　　 第３章　「身近な世界」と多様性 「近所の社会学」―身近な世界の学びなおし　　 ジモトを歩く―根源（ラディカル）から学びなおす　　 「迫力」を描き出し、「交錯」する領域を明らかにする　　 続・ジモトを歩く―追跡調査と分類枠組みの問いなおし　　 参与観察／実践とデータの信頼性　　 社会調査と倫理　　 対立する集団の調査から倫理を問いなおす　　 根源から社会を学びなおす 排外主義者とは誰か　　 第Ⅱ部　在日コリアンとの「再会」 第４章　在日コリアンとの「再会」 ◆続・岡山（ジモト）を歩く１ 金昌浩との出会い─ もう一つのジモトとの再会　　 あのピッチャーの少年はどこへ行ったのか？　　 同じ高校に通ったあの子との「再会」　　 偶然の「再会」と出会いなおし　　 第５章　変化するフィールド ◆続・岡山（ジモト）を歩く２ フィールドとは何か　　 フィールドの形成　　 フィールドはいかに成立しているのか？　　 フィールドは問う　　 10年間のフィールドワークの軌跡 第６章　「若者」から「Ｒ40」へ ◆続・岡山（ジモト）を歩く３ 多様化する在日コリアン　　 韓流ブームと北朝鮮バッシングから排外主義という流れのなかで　　 「自己責任論」とパッシング　　 在日コリアンの「若者」たちの現在　　 多文化的実践のリアル　　 第Ⅲ部　「在日コリアン」を問いなおす 第７章　 ルーツと「交錯」―「ダブル」の固有性と多様性をめぐって ポスト・アイデンティティ政治と無徽化の力学のはざまで　　 ダブルというアイデンティティをめぐる戦術　　 ダブルをめぐる多様な戦術と葛藤　　 ダブルというカテゴリーの彼方へ　　 混淆化する社会空間と社会調査の再想像　　 第８章　 「帰化」と放射能汚染―最後のコミュニティとしての朝鮮学校 ◆福島（ジモト）を歩く 福島の朝鮮学校コミュニティにとっての「復興」　　 在日コリアンにとっての福島（ジモト） ─「震災はきっかけに過ぎない」　　 非集住化のなかでいかにコミュニティをいかにつなぐのか─「本名を掲げて、正気を保てた」　　 「帰化」という不安と希望─「帰化しても生き方は変わらないよ」　　 見守り続けるという実践─ コミュニティを拓く　　 「復興」から「継続」へ─ 身近な人間関係を根源としたコミュニティ　　 第９章　越境する在日コリアン ◆ソウルを歩く 在日コリアンにとっての「韓国」という経験　　 グローバル都市ソウルを歩く　　 「自分探しの旅」としてのソウル滞在　　 ソウルで働く、結婚する　　 カリフォルニアからソウルへ　　 社会運動の現場を歩く　　 韓国から北朝鮮を眺める　　 越境する在日たちと未来　　 終章　ラップとアイデンティティ ◆川崎（ジモト）を歩く ＦＵＮＩとの「再会」　　 越境と漁村での生活　　 移民のまち川崎で育つ ポスト工業化とラップ　　 ラップと人種　　 青年実業家とタワマンと排外主義への同化　　 ラップの旅と生の技法　　 コミュニティとレペゼン─ アイデンティティを取り戻す挑戦　　 ディスとヘイト　　 在日コリアンとは誰か