著者紹介
井手口 孝(著者):井手口孝(いでぐち・たかし)
福岡第一高等学校男子バスケットボール部監督
1963年生まれ。福岡県出身。西南学院高から日体体育大学へ進学。大学卒業後、地元・福岡県の中村学園女子高に赴任。その後、1994年から福岡第一高男子監督に就任し、男子バスケットボール部を創部。ディフェンスからの速攻を武器に、激戦区・福岡で頭角を現し、就任5年目の98年にインターハイ初出場。2004年にチームを日本一へと導いて全国屈指の強豪校へと押し上げた。過去にインターハイ優勝4回(2004,2009,2016,2019)、ウインターカップでは2018、2019年の2連覇をはじめ優勝4回(2005,2016,2018,2019)を数える。これまでに並里成(琉球ゴールデンキングス)や鵤誠司(宇都宮ブレックス)、河村勇輝(東海大)など日本を代表するポイントガードを多数輩出している。
内容
“真の日本一を決める大会”と言われる高校バスケットボールの「ウインターカップ」において2018,2019年と2連覇を達成した福岡第一高校・男子バスケットボール部。同校バスケ部を創部から携わり、0から築き上げ、いまや高校バスケ界を牽引するほどまでの存在へと育て上げた井手口孝監督初の書籍となります。
公式戦無敗を記録した2019年度の主力選手だった河村勇樹や小川麻斗、昨年度のキャプテン、ハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニアらは、バスケット選手としては決して恵まれているとは言えないサイズだが、卒業後特別指定選手としてすでにBリーグデビューを飾り、日本バスケ界に新たな風を吹き込んでいる。
どこにも負けない練習量と思う存分バスケットに打ち込める環境で培った、観るものを魅了するスピーディーな「走るバスケ」でこれまでにインターハイ4回、ウインターカップ4回、計8度の日本一に導いた名将の人間教育、人心掌握術やチーム作りの秘訣、そして全国の舞台で結果を残し続けている手腕などをまとめた、バスケファン必見の1冊です。
「福岡第一でバスケットを続ければきっと何か得られるものがあるはず。」
第1章 運命に導かれて
指導者としての原点は女子高
同じような思いを後輩にさせてはいけない!
勝負を賭けて踏み出した一歩
第2章 福岡第一バスケ部の軌跡
パラマ塾から始まった男子バスケット部
デイブ・ヤナイとの出会い
留学生を受け入れる覚悟
第3章 子どもたちに教え導くものとして
大好きなバスケットを腹一杯にする
主役もいれば、脇役もいる
子どもに教えるとはどういうことか?
第4章 強いチームになるために
ディフェンスは“農業”
ライバル、福岡大学附属大濠の存在
小さい子でも生きる道がある
全員がポイントガードの思考を持つ
福岡第一の練習哲学
第5章 未来あるキミたちへ
雑草だからこそできる指導がある
次世代の指導者を育てる
ノーブランドだからこそ本音で勧誘する
B.LEAGUEへの苦言
人間形成の時間を作りながらも、バスケットでは勝たせないといけない。勝つことによって、それが本質になる。人間形成だと謳って指導しながら、一方でチームが負けてばかりだったら、これもあまり効果はありません。勝つことによって、効果が出る。逆に勝つことばかりに力を注いでも、心が育たない。
勝ちながら、同時に心も育てる。彼らが大好きなバスケットを本気で取り組んで、ありきたりの言葉で言えば、人として成長させていく。18歳くらいまでの子に対しては、「人」と「選手」の成長が両輪だと思っています。それはこれからも変わりません。
私自身、いろんなことを経験しながら、今も福岡第一で大好きなバスケットを腹一杯やらせてもらっています。定年まであと3年。その先はどうなるかわかりませんが、私が築いた福岡第一のバスケットのように、最後まで子どもたちと走り続けたいと思います。
(「あとがき」より)