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身代わりの恋が甘すぎて  寂しがりやのペシミストは肉食彼氏に堕とされる(蜜夢文庫)

櫻井 音衣  著

千影 透子  イラスト
在庫状況 有り  お届け予定日 3~4日  数量 冊 
価格 \924(税込)         

発行年月 2021年07月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 360p
大きさ 148×105mm
ジャンル 和書
ISBN 9784801927438
商品コード 1033024026
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1033024026

著者紹介

櫻井 音衣(著者):【著者】櫻井音衣
2015年webサイトにて執筆活動開始。2018年書籍『恋のお手紙、届けます!』でデビュー。2020年『Pessimist in love ~ありふれた恋でいいから~』で第13回らぶドロップス恋愛小説コンテスト竹書房賞受賞。
不器用な大人たちの恋のお話を書いています。
お酒と辛いもの、カラオケとお笑いが大好きな関西人。兵庫県出身。
千影 透子(イラスト):【イラスト】千影透子
電子版に続き文庫版でも二人を描かせていただけて、とっても楽しかったです…!!
素敵な作品と一緒にイラストでもドキドキしていただけたら嬉しいです。
ありがとうございました!
▼HP「千影屋」
http://tikage-ya.amebaownd.com/

内容

彼にして欲しかったこと全部、俺が代わりにしてあげる
世話焼きな友達の元カレ×悲観的なアラサー女子

【あらすじ】
「見返してやろうとは思わない?」。ブライダルプランナーの幸は、体の関係はあるのに恋人未満だった高校の同級生・夏樹と、自分の同僚の琴音との披露宴の担当プランナーに指名される。披露宴は無事終えたものの、幸は夏樹への想いを引きずったまま。そんな幸の前に、琴音が結婚したことを知らない琴音の元カレ、恵介が現れる。第13回らぶドロップス恋愛小説コンテスト受賞作。

【本文】P42~45「1 選ばれなかった女と知らされなかった男」より
 こんなキスをしたのはいつ以来だろう?
 なんか気持ちいい……。ダメだ……頭がボーッとする……。
「俺は幸さんとこういうことしたいって思ってんの。わかる?」
「……ダメだよ……」
「なんで? 彼じゃないから? 今でもまだ彼が好き?」
 私がうなずくと、富永さんはネクタイを外した。
「だったら俺を彼だと思えばいいよ。身代わりくらい、いくらでもしてやる」
 そう言って富永さんは、外したネクタイで私の目元を覆った。目隠しをされて視界を遮られると、不安で胸が押し潰されそうになる。
「ちょっと待って……身代わりって……」
「彼を思い浮かべながら全身で思いっきり感じて。彼にして欲しかったこと全部、俺が代わりにしてあげる」
 耳元や首筋にも何度もキスをされ、服の上から体のラインをなぞられると、肩が小刻みに震えた。
 何これ……? お酒の勢いとかその場の雰囲気だけで、彼氏でもない人と、なんでこんなことになるわけ?
 私としたいって……なんで?
 酔った頭では理解できないこの状況で、私は富永さんにされるがままになっている。こんなのおかしいと思うのに、その手で触れられたところが熱くなって、体の奥が疼いた。
「幸……可愛いよ」
 忘れかけていた甘い疼きに無意識に声が漏れそうになり、恥ずかしくて慌てて口元を押さえた。
「声、我慢しないで。もっと聞かせて」
 彼はその手を取って口づける。焦らすばかりで素肌には触れない。じれったくてもどかしくて、堪えきれず彼の首の後ろに腕を回した。
「幸はどうしたい?」
 どうしたいのかと聞かれても、恥ずかしくて言葉が出てこない。
「どうしてもイヤならやめるけど」
「イヤ……じゃない……」
 頭で考えるより早く、私は無意識にそう答えていた。
「だったらどうして欲しいのか、ちゃんと素直に言ってごらん。幸の言う通りにしてあげる」
 ちゃんと素直に言って……って……。恥ずかしい……。
 さっきまで優しかったのに、なんで急にこんなに意地悪なんだろう?
「言わないならやめるよ?」
 耳元で囁ささやかれて、私の奥でずっと眠っていた女の部分が目を覚ました。
「やだ……やめないで……」
 恥ずかしさを堪えて小さな声で呟くと、彼は私の口元に耳を近付けた。
「ん……? どうして欲しいの?」
「いっぱい……キス……して、欲しい……」

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