内容
大正期に中国の2大都市、大連と上海で産声を上げた日本語新聞-「大連新聞」と「上海日日新聞」の復刻版。満鉄機関紙「満州日日新聞」とは対照的に市民の声を反映した真の民論機関を目指した「大連新聞」、片や中国最大の国際都市‘上海’で1914年5月に創刊され、30年代には華文版を増ページするなど、その国際性を強調した「上海日日新聞」。
戦時体制へと大きく舵をきりはじめた時代の証言であり、観察の記録でもある第一級の歴史資料ではあるが、ここに復刻をなす東京大学を除けば、国内にはいずれも原紙を所蔵する機関は皆無に近く、斯界研究者にとってもその存在すら極めて認知度の低いものであった。特殊な政治、経済、社会、文化の空間に遺された希少の実証資料としてすべての歴史家にお勧めします。