内容
日本発の青色発光ダイオード(LED)の発明が、2014年のノーベル物理学賞を受賞した。日亜化学工業在職時に高輝度青色LEDの発明で大きな貢献をした人物が受賞者の一人、米カリフォルニア大学サンタバーバラ校の中村修二教授だ。中村教授は世界有数の研究者であると同時に、日本の社会や企業のあり方に、いわゆる青色LED裁判を通じて一石を投じてきた人物。かつての所属企業を相手取り発明対価を争った裁判は、世の中の耳目を集めた。その鋭い舌鋒ゆえに、人物像や研究業績への誤解も少なくない。研究者として最高の栄誉を獲得した教授は今、何を思っているのか。本書では、教授へのインタビューと共に、地方企業の材料技術者がノーベル賞を受賞するまでの記録を当時の報道を中心に追いかける。なるべく平易に技術にかかわらない人も読める内容に編集しつつ、1冊読むとノーベル賞を受賞した研究内容と中村教授のイメージを総ざらいできるようにする。【主な内容】序文:初対面の中村修二に言ったこと第1幕:ノーベル賞受賞で何を思う第2幕:青色LED開発前に学んだこと第3幕:世紀の発明、その道程第4幕:僕が会社をやめたわけ第5幕:僕が会社を訴えたわけ第6幕:青色LED裁判とは、何だったのか第7幕:私は何に負けたのか【付録】高輝度青色LED、技術の系譜