技術は変化するかもしれませんが、明確で正確なコミュニケーションの必要性は決してなくなることはありません。そのため、100年以上もの間『シカゴマニュアル・オブ・スタイル』は言葉を使って仕事をする人々の決定的ガイドとして刊行され続けてきました。
前版が刊行されてから7年間ほどで、知識を想像し共有する方法は急速に進化しました。本書『シカゴマニュアル・オブ・スタイル　第17版』は、読者が本棚やポケットからアクセスする可能性の高い情報をどのように見つけだし、作成し、引用するのかを考慮して編纂されました。電子ワークフローと出版形式をはじめ、PDFの注釈と引用の管理、Webアクセシビリティ規格のためのツールや、メタデータ、要約、キーワードの効果的な使い方に関する最新のガイドラインを提供します。本書は自己出版あるいはオープンアクセス出版、クリエイティブ・コモンズでの出版を目指している人のニーズも意識しています。また、引用についての章では、ソーシャルメディアの投稿とコメント、プライベートメッセージやアプリコンテンツなど、絶えず拡大し続けている電子ソースの世界を反映し、DOIやタイムスタンプ、電子書籍のロケータなどの問題に関する最新のガイドラインも提供しています。
その他の改訂は、技術的変化とは無関係のものです。文法や言葉の使用に関する章は、問題のある単語やフレーズ、ジェンダーに中立な代名詞や偏見のない言語に関する最新のガイダンスが含まれています。句読点や基本的な引用スタイルについての重要なセクションが改訂され、より分かりやすくなりました。より利用しやすいように、見出しとパラグラフのタイトルも改善され、全体を通して読みやすくなりました。参考文献目録も更新され、現在入手可能な最新の資料を含み、大幅に拡張されています。
第17版の本書は、シカゴ大学出版局の職員や、職種を越えた出版業界のプロフェッショナルからなる専門の諮問機関から募った専門家の見識が反映されています。また、電子メールや通話、ツイートから触発された提案も含まれています。コミュニケーションの手段がどんなに変化したとしても、『シカゴマニュアル・オブ・スタイル』は細かな点を正しく理解しようとする人々にとって必携のレファレンスです。