Modern Quantum Mechanicsは大学院生レベルの有名なテキストブックであり、量子力学の主要概念を明快かつまとまりよく、魅力的に紹介しています。著者であるJun John Sakurai（Ｊ.Ｊ.サクライ）は、素粒子物理学の分野で有名な理論物理学者です。実験物理学者J.ナポリターノにより加筆・改訂された第2版では、高度な数学的手法を用いた量子力学的計算といった21世紀にこのテキストの有用性を広めるようなトピックを導入し、同時に中性子干渉計実験、Feynmanの経路積分や相関測定、Bellの不等式などの歴史的に偉大な発展の数々も忘れることなく取り扱っています。

・線形ポテンシャル、母関数を用いたシンプルな調和振動子、および球面調和関数を含むシュレーディンガーの波動方程式の具体解を取り扱っています
・前半の章ではSO(4)の対称性や、水素原子を解くための応用、および極端な時間依存性に基づく近似テクニックを議論しています
・Stern-Gerlachのセシウム原子での実験、ミュー粒子のスピン回転やg-2、ニュートリノ振動、‘よく弾む’超冷中性子、中性子のベリー位相、原子核からの陽子の弾性散乱、原子核崩壊における交換対称性の効果、Casimir効果などの量子力学的現象の実験での実演を取り扱っています
・量子力学と関連づけられた高度な数学的手法（母関数や線積分など）を取り上げています