東京大学本郷キャンパス~140年の歴史をたどる~
内容
目次
はじめに 東京大学キャンパスマップ 東京大学の沿革 第1章 先史・江戸時代の本郷 1 本郷キャンパスの自然地形 2 先史時代のキャンパス――2万数千年前の痕跡 3 江戸時代のキャンパス――発掘調査による全体像 4 江戸藩邸の土地造成と三四郎池 5 加賀藩上屋敷――屋敷絵図をみる 6 将軍の御成と藩邸の大改変 7 育徳園――加賀藩邸の遺産① 8 大名屋敷の行方――加賀藩邸の遺産② 本郷キャンパスの発掘調査地点 第2章 大学成立期のキャンパス 1 昌平坂学問所から大学へ 2 開成学校――東大の前身① 洋学教育機関 3 医学所――東大の前身② 医学教育機関 4 実現しなかった上野構想――校地の選定① 5 本郷移転までの紆余曲折――校地の選定② 6 東京医学校の本郷移転 7 東京医学校本部――黎明期のキャンパス唯一の現存建物 8 神田錦町の東京大学と予備門 9 工部大学校――近代工業技術の教育機関 10 外国人教師たちの本郷 11 キャンパス回想――モース,ベルツ,入澤達吉,馬場孤蝶,ケーベル 「明治4年東京大絵図」にみる東大の前身校 第3章 本郷キャンパスの成立 1 ジョサイア・コンドルによる東京大学設計図 2 帝国大学の誕生――各所から本郷へ,キャンパス成立へ 3 法文科大学校舎――最初の煉瓦校舎 4 工科大学本館――辰野金吾の最初期の作品 5 理科大学――文部省技師・山口半六設計の建築 6 図書館と講堂――キャンパス内共建物の建設 7 農科大学――駒場キャンパスの前身 8 医科大学校舎――病室と教室の止むことのない増築 9 文部省営繕課――山口半六と久留正道 10 明治天皇の卒業式初行幸 11 赤門――東京大学の「顔」 12 キャンパス近代化の空間装置――門・広場・街路 写真帖『東京帝国大学』 13 三四郎が歩く――小説に描かれた風景 14 漱石と鷗外が目にした本郷界隈 15 銅像――キャンパスに点在する肖像彫刻 1886(明治19)年のキャンパス 第4章 本郷キャンパスの整備と拡充 1 大講堂と銀杏並木――キャンパスの主軸の形成 2 濱尾新土木総長のキャンパス整備 3 キャンパスに中心――総長室と本部の変遷 4 東京大学の卒業式と式場 5 懐徳館――前田侯爵の邸宅 6 東京帝国大学営繕課――キャンパス整備の学内組織 7 内田祥三と内田スクール――営繕課の役割 8 キャンパスに継承される軸線――震災前の拡張計画 9 大講堂の計画 10 大講堂の壁画 1897(明治30)年のキャンパス 第5章 内田ゴシックの本郷キャンパス 1 関東大震災による被災状況 2 大震災からの復興・再建計画――恒久的な再建整備へ 3 内田祥三の信念――全体計画の実践 4 内田ゴシック――スクラッチ・タイルを用いた様式の誕生 5 図書館の再建――震災復興の象徴 6 図書館と戦没者追悼――消された戦争の記憶 7 恵まれた運動施設 8 病院を装飾する――1930年代の病院像の証言者 9 農学部の移転――本郷での総合大学成立へ 1923(大正12)年のキャンパス 第6章 戦後・高度成長期のキャンパス再開発 1 図書館団地――新制東京大学の出発 2 キャンパス計画の誕生――「本郷キャンパス利用計画」の策定 3 モダニズム建築の実験 4 東大紛争と安田講堂前広場 5 学内埋蔵文化財発掘調査の始まり 6 広場と軸線の建築――空間的文脈の創造的発見 7 内田ゴシックへの増築――法文1号館・2号館,工学部1号館・2号館・6号館 8 工学部の再開発計画――全学再開発の嚆矢 9 三極構造のキャンパス――本郷・駒場・柏 10 本郷キャンパスの再開発計画――「本郷地区キャンパス再開発・利用計画要綱」の策定 11 キャンパス内の現代建築――建築家たちの実験 12 有形遺産の意識と制度化 13 戦後の病院地区 1936(昭和11)年のキャンパス 第7章 新しい本郷キャンパスへ 1 国立大学法人化と建設ラッシュ――キャンパスの景観変貌 2 オープンスペースの開放――外部空間の転換点 3 目指すべきキャンパスの質――キャンパス計画要綱の改正 4 内田ゴシックの保存と復元 5 安田講堂の大改修――新しい文化財の姿の模索 6 図書館前広場――歴史的価値の継承 7 育徳園の価値――本郷最古の場所 8 懐徳館庭園――名勝指定そして今後の活用へ 1987(昭和62)年のキャンパス おわりに 東京大学本郷キャンパス関連年表 参考文献 索引(人物/建造物等) ■執筆者 本書執筆者 *印は,東京大学キャンパス計画室員・事務局員(元/現) 出口 敦* 東京大学大学院新領域創成科学研究科教授.東京大学キャンパス計画室長.専門は,アーバンデザイン学,都市計画学,景観計画.編著に『アジアの都市共生――21世紀の成長する都市を探求する』(九州大学出版会,2005年)がある. 西村幸夫* 神戸芸術工科大学教授.東京大学名誉教授.専門は都市計画,都市景観計画,都市デザイン.著書に,『県都物語――47都心空間の近代をあるく』(有斐閣,2018年),『都市保全計画――歴史・文化・自然を活かしたまちづくり』(東京大学出版会,2004年)がある. 藤井恵介* 東京藝術大学客員教授.東京大学名誉教授.専門は建築史,文化財保存.著書に,『建築の歴史』(共著,中央公論新社,2006年),『密教建築空間論』(中央公論美術出版,1998年)がある. 木下直之* 東京大学大学院人文社会系研究科教授.静岡県立美術館館長.専門は文化資源学,近代日本美術史.著書に,『近くても遠い場所――一八五〇年から二〇〇〇年のニッポンへ』(晶文社,2016年),『銅像時代――もうひとつの日本彫刻史』(岩波書店,2014年)がある. 森 朋子* 札幌市立大学デザイン学部准教授.前職は東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻助教.専門は都市計画. 尾﨑 信* 松山アーバンデザインセンターディレクター.愛媛大学講師.芝浦工業大学非常勤講師.前職の東京大学助教時にキャンパス計画を担当.専門は都市・地域計画,景観学,まちづくり. 堀内秀樹* 東京大学埋蔵文化財調査室准教授.専門は近世考古学,陶磁器.編著に『赤門――溶姫御殿から東京大学へ』(共編,東京大学出版会,2017年),『中近世陶磁器の考古学』第2巻(佐々木達夫編,雄山閣,2016年)がある. 中井 祐* 東京大学大学院工学系研究科教授.専門は景観論,土木デザイン.著書に『近代日本の橋梁デザイン思想――三人のエンジニアの生涯と仕事』(東京大学出版会,2005年),『風景の思想』(共編,学芸出版社,2012年)がある. 加藤道夫* 東京大学大学院総合文化研究科教授.専門は建築図学,建築デザイン,特にル・コルビュジエの絵画・建築・都市に関心がある.著書に『総合芸術家ル・コルビュジエの誕生――評論家・画家・建築家』(丸善出版,2012年),『ル・コルビュジエ――建築図が語る空間と時間』(丸善出版,2011年)がある. 千葉 学* 東京大学大学院工学系研究科教授.建築家.専門は建築設計・都市空間デザイン.著書に『人の集まり方をデザインする』(王国社,2015年),『Rule of the site――そこにしかない形式』(TOTO出版,2006年)がある. 川添善行* 東京大学生産技術研究所准教授.建築家.専門は,建築設計・風景論.著作に『空間にこめられた意思をたどる(私たちのデザイン3)』(共編,藝術学舎,2014年),『GS群団底力編 このまちに生きる――成功するまちづくりと地域再生力』(共編,彰国社,2013年),建築作品に「東京大学総合図書館別館」(2017年),「変なホテル」(2015年)等がある. 角田真弓 東京大学大学院工学系研究科技術専門職員.専門は日本建築史,近代建築学史.編著に『建築の歴史・様式・社会』(共著,中央公論美術出版,2018年),『関野貞アジア踏査』(共編,東京大学出版会,2005年)がある. 木内俊彦 東京大学大学院工学系研究科特任研究員.専門は建築意匠論,建築設計.編著に『T_ADS TEXTS 02 もがく建築家,理論を考える』(東京大学出版会,2017年),『T_ADS TEXTS 01 これからの建築理論』(東京大学出版会,2014年)がある. 成瀬晃司 東京大学埋蔵文化財調査室助教.専門は近世考古学.著書に,『赤門――溶姫御殿から東京大学へ』(堀内秀樹・西秋良宏編,東京大学出版会,2017年),『事典 江戸の暮らしの考古学』(古泉弘編,吉川弘文館,2013年)がある. 原 祐一 東京大学埋蔵文化財調査室助手.専門は近世考古学,近代考古学. 大成可乃 東京大学埋蔵文化財調査室助手.専門は近世考古学. 追川吉生 東京大学埋蔵文化財調査室助手.専門は近世考古学.著書に『江戸のなりたち1 .江戸城・大名屋敷』(新泉社,2006年),『江戸のミクロコスモス・加賀藩江戸屋敷』(新泉社,2004年)がある. 香取祐一 東京大学埋蔵文化財調査室教務補佐員.専門は地理情報. 小川祐司 東京大学埋蔵文化財調査室教務補佐員.専門は近世考古学.著書に『赤門――溶姫御殿から東京大学へ』(堀内秀樹・西秋良宏編,東京大学出版会,2017年)がある.
カート
カートに商品は入っていません。