内容
テレビのニュースや新聞記事の中で、ツイッターやフェイスブック、LINEといったSNSの名前が出てくることは珍しくありません。たとえば、「アメリカの大統領がツイッターを始めました」「この番組のフェイスブックページもどうぞご覧ください」「事件にかかわった少年たちは通信ソフトLINEでやり取りしていました」といったものです。これらは、SNSを使ったことがない人には、「なんだかわからないけど、新しいものがいつの間にかひろまっている」、という印象になるだけかもしれません。いつの間にか普及している感のあるSNSですが、普及した経緯を追うと、インターネットやコンピュータといったIT関連のテクノロジーの発展と深く関係していていることがわかります。SNSはまったく新しい仕組みとして開発されたのではなく、ホームページやブログなどの情報発信手段が発展した結果できた仕組みです。また、一般にひろく普及したのは、高性能のコンピュータが小型化し、スマートフォンという携帯端末の利用者が急増したからです。SNSの用途が、わたしたちの日常生活ですでに行っていた行動だったことも見逃せません。「情報を仕入れる」「仕入れた情報を人に伝える」「誰かに連絡を取る」「誰かと意見交換する」といったことを、SNSによってより簡単に行えるようになったのです。SNSが普及することによって、さまざまな分野で影響が出てきています。影響の規模は、表面上わかりにくいのですが、社会全体の変化につながっています。本書では、ツイッターやフェイスブック、LINEなどの操作方法についての解説はありません(操作方法は、運営会社の都合でたびたび変更されます)。その代わり、上記のようなSNSの本質的な部分(変わらない部分)について、わかりやすい例を交えながら紹介していきます。本書を読むことで、ツイッターやフェイスブック、LINEなどに没頭している若者の大半が、意識すらしていないSNSの本質が見えるようになるはずです。