家族心理学ハンドブック
内容
目次
はじめにⅠ 家族とは1 社会としての家族~社会の内なる家族・家族の内なる社会 はじめに 社会の内なる家族 格差社会を象徴する家族機能の変化 個人から見た社会 おわりに2 文化としての家族 「家族」観を特徴づける家族体験──困難な「家族」の定義 家族の多様性と変化可能性──変化が家族研究のターゲット 「家族アイデンティティ」 ──『誰があなたの家族ですか?』 社会の変化と連動する家族の変化 ──個人化の進行,凝集性と永続性の低下へ 人間家族の進化的基盤と高い知能による 多様な「家族」の創出 家族の変化の基盤は「家族文化」 ──生き方の問題 親(母)子中心の家族文化 ──夫は「父親になる」が「父親をする」から降りて「稼ぎ手」に 成人子と親との関係──パラサイトと親孝行の見直し 個人ごとに異なる家族文化──家族文化の差は夫婦間にも 家族文化の点検──最適性追求の過渡期 ワーク・ライフ・バランスは<ケアの女性化>からの脱皮が 必須──性を超えて経済的自立とケアの心と力を──ネリ3 ジェンダーと家族 家制度から男女平等へ 働き方から見る性差 夫婦間格差 男性の心理 平等な性役割分担への道4 感情と家族 愛し合っているのになぜ苦悩が生じるのか? 家族の中ではきだされる感情 家族の中でのみこまれる感情 家族の健康のために5 日本語と家族 グローバル化と日本の家族 日本語の会話 現代家族の会話Ⅱ家族心理学の基礎理論1 家族心理学とはなにか 21世紀の家族心理学 家族心理学の独自性 家族心理学の社会的役割2 精神力動論 はじめに 精神力動について 自我機能から見た常態と病態 精神分析と家族──エディプス・コンプレックスと阿闍世コンプレックス おわりに3 システム論 システム理論,その基礎から発展 システム論とサイバネティックス 「家族」システムを用いた研究視点の特徴 システム理論の臨床的活用 システム理論/サイバネティックスから社会構成主義への転換4 認知行動論 認知行動療法 不安障害 双極性障害 強迫性障害 パーキンソン病 慢性疼痛 薬物使用 おわりに5 ナラティヴ論(物語理論) ナラティヴの基本的な考え方 家族理解と支援へのナラティヴ6 ネットワークと家族~インターネット時代の人間関係 ネットワークとは インターネットによるコミュニケーション 自律性の増加──「縁」からインターネットへ 互酬性──情報から絆へ 希薄化する人間関係──SNSの危うさ7 脳の発達とアタッチメント はじめに 親の養育とアタッチメント アタッチメントシステムを担う脳 虐待と脳の発達──アタッチメントの障がい おわりにⅢ家族発達と援助1 新婚期 新婚期夫婦の理想と現実 家族ライフサイクルから見た新婚期夫婦の課題と危機 夫婦間適応に影響を及ぼすさまざまな要因2 乳幼児を育てる時期とは 養育のためのシステムづくり 親にとっての子ども──授かるから,つくるへ 母親・父親を取り巻く状況と子どもの養育 母親,父親にとっての仕事と家庭 養育のためのシステム作りをどう支えるか3 学童期の子どもを育てる時期 はじめに 学童期の子どもとその家族の発達課題 現代(いまどき)の学童期の子どもが抱えやすい問題とその援助 学童期の子どもを育てる家族への援助4 思春期・青年期の子どもを育てる時期 アイデンティティと関係性 思春期・青年期の子どもを持つ家族の発達的課題 青年期家族の問題 家族支援の実際 家族支援の重要性5 中年期・老年期 子どもの巣立ちと夫婦関係 成人子と老親における役割逆転 老年期の家族と対人的ネットワーク 家族介護と看取りをめぐる問題Ⅳ 現代家族の特徴1 多様化する家族 多様化の軸 生殖補助医療 同性婚の家族と課題 ステップ・ファミリーの現状と課題2 ワーク・ライフ・バランスと家族 育児と少子化 介護 夫婦関係3 子育て家族の支援 親子関係の成立 家族システムの中での子育て 親子関係の相互性 「気になる」子どもの保護者支援4 子どものいない家庭と不妊問題 はじめに 子どものいない家庭の諸相 不妊と不妊治療(生殖医療)の現状 家族心理学的視点から不妊問題を理解する まとめ──子どものいない家庭を理解するということ5 障がいを持つ子どもと家族 はじめに 家族のライフサイクルとストレス きょうだいへの影響 虐待の問題 家族機能の回復や成長に向けた援助 今後の方向性6 児童虐待 はじめに 児童虐待とは しつけと虐待の違い 対応件数にみる特徴 要因 歴史的経緯 対応と介入 課題7 DVについて DVとは DVの歴史 DVの現状 被害後の行動 DV支援の問題点 被害者への影響と回復 DV防止に役立つ視点8 離婚・再婚~親が離婚した子どもの支援も含めて 離婚の現状とその背景 子どもにとっての親の離婚 再婚の状況とその課題 離婚や再婚を経験する子ども・家族に向けた支援9 家族と貧困 はじめに──家族と貧困 貧困とは──絶対的貧困と相対的貧困 見えづらい日本の貧困 ──子ども・母子家庭・老人の高い相対的貧困率 貧困の世代間連鎖と悪循環 貧困の連鎖の悪循環を断ち切るための施策10 災害と家族 はじめに 理論的枠組み 家族としての被災経験 家族支援モデル 今後の課題11 非行・犯罪と家族 はじめに 家庭内暴力事例(再構成) 家庭内暴力のメカニズム(本事例) 夫婦間の暴力 児童虐待(ネグレクトと身体的暴力) いじめ,仲間はずれ 衝動統制の問題 欲求の充足と情緒の安定 親密な関係12 高齢者虐待 はじめに 事例から見る高齢者虐待 模擬事例から高齢者虐待の内容を考える 高齢者虐待の現状と高齢者虐待防止法 心理職に求められる高齢者虐待防止支援Ⅴ 家族療法の理論と技法1 家族療法の歴史家族療法の誕生──伝統的人間観の挑戦家族研究から家族療法へ──研究成果と実践の相互作用現代の家族療法──わが国における発展2 家族療法の過程 基礎技法 家族面接の基本 はじめに 家族療法の理論 基礎技法 家族面接の基本 家族面接の過程 家族療法の技法3 構造的モデル はじめに 家族の構造と変化 問題 境界 パワー ケース検討と介入プラン4 多世代モデル(文脈療法) 家族療法における多世代モデル 文脈療法とは 文脈療法における4つの次元 文脈療法における家族の機能 多方向への肩入れ(multidirected partiality)5 コミュニケーションモデル コミュニケーションモデルの主要概念 おわりに6 解決志向ブリーフセラピー(Solution Focused Brief Therapy)~解決に光を当てる 概略:SFBTとは 歴史 SFBTの基本 ゴールについて 例外を探すということ SFBTにおける「質問」 コンプリメント SFBTのセラピストのスタンス7 心理教育的アプローチ 心理教育的アプローチとは 心理教育的アプローチの歴史的背景 心理教育的アプローチの実際 まとめと展望8 ナラティヴ・アプローチ ナラティヴと心理療法 さまざまな「ナラティヴ・アプローチ」 ポストモダン・セラピーとしてのナラティヴ・アプローチ9 統合的アプローチ はじめに 統合的エコシステミック家族療法の考え方 統合的問題中心療法 (IPCT:Integrative Problem-Centered Therapy) おわりにⅥ 個別領域における家族支援1 保育現場での乳幼児と家族の支援 支援の対象 保育現場での相談構造の特徴 保育相談支援 コンサルテーションの方法 親子関係の修復につながるフィードバックのあり方2 児童生徒に対する学校臨床における家族支援 児童生徒に対する学校臨床──スクールカウンセラーの導入 児童生徒への支援としての保護者面接 保護者の不安に対する家族療法的アプローチ 学校臨床における家族支援の実際3 大学での学生相談における家族支援 これまでの学生相談の家族とのかかわりと位置づけ 学生・家族の変化と現在の大学事情 学生支援の視点の転換──家族との積極的な関与へ 学生相談に家族心理学・家族療法的視点から提供されるもの 現在の学生相談実践の課題と家族支援の交点4 社会福祉領域における家族援助 子ども家庭福祉領域における家族援助の現状 子ども家庭福祉領域における家族援助の課題 労働者のストレスと産業メンタルヘルスケア5 産業領域における家族支援 産業メンタルヘルスにおける3つの予防と4つのケア 職場復帰支援 システムにおける支援者の機能役割 システムズアプローチの活用 産業メンタルヘルスケアにおける家族支援の重要性6 医療現場における家族支援~他職種との連携から 「見立て」にかかわる家族関係理解 心理アセスメントに表れる家族関係 医療機関における家族とのかかわり 医療現場での他職種との連携7 非行少年に対する家族支援 少年非行をどのように理解するか 非行少年の家族の特質 家族支援の基本 おわりに──逆説には逆説を8 犯罪者への支援とその家族 法改正による取り組みの変化 「指導プログラム」による支援 家族・社会との「つながり」という支援 高齢犯罪者への支援 加害者支援の課題 加害者家族への支援9 非行少年・犯罪者の社会復帰と家族 非行・犯罪の促進又は抑止要因としての家族 非行・犯罪の抑止要因としての 家族への実践的なはたらきかけ 変貌する家族と今後の日本における少年非行・犯罪への対応のあり方10 社会的養護 社会的養護のシステム 児童福祉施設の種類と家族支援 社会的養護の家族支援Ⅶ 法と倫理1 恋愛と結婚をめぐる法と倫理~婚姻,DV防止法,ストーカー規制法,離婚,夫婦別姓,事実婚,同性婚,国際結婚など 婚姻 夫婦別姓 事実婚(内縁) 同性婚 離婚 DV防止法 ストーカー規制法 国際結婚2 出産と家族をめぐる法と倫理 はじめに 法における「出産」(出生) 非配偶者間人工生殖 性別の取扱いの変更審判を受けた者の場合3 児童とその家族をめぐる法と倫理 はじめに──倫理について 守秘義務について 児童虐待防止法の変遷 子どもの最善の利益 守秘義務を超える正当な理由 通告義務 早期発見努力の義務 要保護児童対策地域協議会 児童虐待への対応──まとめ 発達障害──ライフステージに応じた支援4 少年非行といじめをめぐる法と倫理 少年非行の時代的推移 攻撃性の質的変容と現代型いじめ いじめとは──いじめ防止対策推進法 学校における法的アプローチと臨床的アプローチの協働5 介護と家族をめぐる法と倫理~成年後見制度,介護保険制度,高齢者虐待,インフォームド・コンセント,年金など 成年後見制度 介護保険制度 高齢者虐待 インフォームド・コンセント 年金6 死と家族をめぐる法と倫理 はじめに 法における「死」 尊厳死・安楽死 相続・遺言7 社会的弱者とその家族をめぐる法~貧困問題を中心に はじめに 貧困の概念について 貧困をめぐる法──生活保護制度の概要 生活保護制度が家族との関係で問題となる場面 おわりにⅧ 家族研究法1 家族アセスメント はじめに 家族アセスメントの概要 まとめと課題2 調査研究 横断調査──「他の家族にも当てはまるのか?」 に答える手法 縦断調査──「別の時期にも当てはまるのか?」 に答える手法 実験的介入──「異なった条件にも当てはまるのか?」 に答える手法 意義づけ──研究質問が価値を持つために3 質的研究 はじめに 質的研究とは 質的研究におけるデータ収集から分析,テクスト化まで おわりに4 家族療法の理論・技法に関する研究 ヴィクトリア大学グループによるコミュニケーション研究 2者関係のコミュニケーション研究 3者関係以上のコミュニケーション研究 おわりに5 家族療法の事例研究 はじめに 事例研究の意義 家族療法の事例研究 おわりに引用・参考文献索引執筆者一覧
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