内容
本特集の目的は、世界的にある一定の評価を得ている国際的な臨床研究(多くは大規模RCTだが、一部、観察研究やレジストリも含む)によって方向性が得られている結果を取り上げ、はたしてそこから派生した結果がわが国の医療現場で活用することができるのか、ということを論じることを主眼とした。そして、もしわが国の現場で活用できないのならば、どこが課題となっているのかというところの検証をも行うことを目的としている。 2019年を迎え、循環器領域でも様々な分野においてなされた臨床研究(主にRCT)に対してきちんと向き合い、わが国の現場や患者さんに対してどうその結果を落とし込んでいくか考える時期に来ている。頭ごなしに「試験の結果はどうあれ現場では」とか「欧米と日本は違うから」というところで議論を打ち切るのはもう止め、建設的にエビデンスに対してはわが国の現場のデータで議論や反駁を行っていく時期が来ているように思われる。 こうした世界スタンダードとされるエビデンスに正面から向き合い、日々の回診やカンファレンスなどでの建設的な議論へと繋げていくことが、わが国での診療のさらなるレベルアップにつながるものと編者は信じている。