内容
「危ないな」。空前の金融緩和策を柱にした「株価がすべてを解決する」経済政策「アベノミクス」に、40年間経済記者として市場経済を見続けてきた著者は警鐘を鳴らす。「市場は(長期的には)コントロール出来ない」からだ。その前例こそ、1980年代後半から90年代初頭に日本が経験したバブル経済である。金融自由化・グローバル化の中、プラザ合意による円高と大蔵省・日銀主導の低金利政策のもとで、地価と株価が急上昇し、日本全体は陶酔的熱狂に浸った。住銀、興銀、野村、山一などの銀行や証券会社と大蔵・日銀、政治家が踊り、「バブルの紳士」が暗躍したあと、大きなオマケが残った。健全な市場経済の仕組みが機能せず、モノの価格が下がりすぎてしまうデフレという病。そんな後遺症に至る「狂乱の時代」とはなんだったのか? 「伝説の記者」が日本資本主義のあり方にまで議論を掘り下げ、「失われた20年」の遠因を捉える〈バブル〉正史。