平成時代(岩波新書 新赤版 1777)
吉見 俊哉 著
内容
目次
はじめに 「平成」という失敗――「失われた三〇年」とは何か 失敗の博物館/「平成」という失敗/政治の挫折と回復なき少子化/「昭和」の反転/四つのショック/世界史のなかの「平成」 第1章 没落する企業国家――銀行の失敗 家電の失敗 崖っぷちで驕る日本/二年半,遅れた利上げ/日本丸,横倒しになる/山一證券「自主廃業」の衝撃/山一證券破綻に至る昭和史/半導体市場での日本の惨敗/「家電」の呪縛と神話の終わり/東芝の失敗を検証する/ゴーン神話にすがった日本社会 第2章 ポスト戦後政治の幻滅――「改革」というポピュリズム バブルのなかの液状化――リクルート事件/政治劇場の仕組みを変える――小選挙区制導入/日本新党ブームが残したもの/選挙制度改革の顚末――改革派と守旧派/労組の変節 社会党の苦境/社会党の自滅への迷走/自民党をぶっ壊す――小泉劇場の仕組み/民主党政権誕生と「政治主導」/国家戦略局構想の誤謬と顚末/安倍政権――液状化する政官と「官邸主導」 第3章 ショックのなかで変容する日本――社会の連続と非連続 「失敗」と「ショック」の間/ふたつの大震災と福島原発事故/オウム事件とメディア的虚構/平成初年に失われていた自己/拡大する格差――未来に絶望する若者たち/格差の制度化と階級社会化する平成日本/超少子高齢化が止まらない/消滅する地方――日本の持続不可能性 第4章 虚構化するアイデンティティ――「アメリカニッポン」のゆくえ 「終末」の予感/「腐海」と「超能力」/「アメリカ」という他者=自己/虚構としての「日本」/安室奈美恵と女性たち,そして沖縄/絶頂のなかの主役交代――ふたりの女性スター/一〇年後の絶頂と崩壊――一九八九年と一九九八年/コスプレする自己のパフォーマンス/一九九〇年代末の転換――環境化するネット世界/自閉するネット社会 おわりに 世界史のなかの「平成時代」――失われる半世紀への序曲 「平成」を時代として考える/再び,オリンピックに向かう/誰のため,何のためのオリンピックか/普天間基地移設と沖縄の怒り/沖縄から平成日本をまなざす/勃興するアジア 取り残される日本/「失われた三棚年」の人口学的必然 あとがき 主な引用・参考文献 略年表 索 引
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