内的対象喪失~見えない悲しみをみつめて~
矢吹 弘子 著
著者紹介
内容
目次
第一部 内的対象喪失から心身症を紐解くにあたって 第一章 対象喪失とは何か 一 対象喪失の種類 二 外的対象喪失と内的対象喪失 第二章 ライフサイクルの精神分析理論 一 フロイトの精神・性的発達論 二 エリクソンのライフサイクル論 第二部 親の愛情をめぐる内的対象喪失と心身症 第三章 満たされない愛情と心身症状 一 満たされない愛情と神経性過食症 二 満たされない愛情と多様な身体症状 第四章 乳幼児期と内的対象喪失 一 乳幼児の心理的誕生 ─マーラーによる理論─ 二 喪の仕事に必要な抑うつ態勢 ─対象関係論による乳幼児の心の発達─ 三 ウィニコットによる「ほど良い母親」と「偽りの自己」の理論 ─心のなかの「自信の核」の発達と抑うつ態勢─ 四 ボウルビイによる愛着理論、乳児の対象喪失 ─母性的愛着の剥奪─ 第三部 大人になるということと内的対象喪失 第五章 思春期・青年期の親からの自立と内的対象喪失 一 ブロスによる青年期の発達理論 二 親からの期待との狭間で 三 青年期の自立に際する親の側の困難 第六章 結婚と内的対象喪失(結婚するしない・配偶者の選択) 一 結婚・配偶者の選択をめぐって 二 獲得の影にある喪失 第四部 親になること・親であることをめぐって 第七章 期待する子ども像をめぐる内的対象喪失と心身症(世代間伝達) 一 子を持つということをめぐって 二 子への期待と内的対象喪失 三 親の期待と子の世代の心身症状 四 子どもを持つということの獲得的意味と内的対象喪失 第八章 成人期・壮年期(中年期)と内的対象喪失 一 ライフサイクルにおける成人期・壮年期(中年期) 二 中年期における自分自身に関する対象喪失 三 中年期における子どもをめぐる対象喪失 第九章 中年期における親をめぐる対象喪失 一 介護問題と内的対象喪失 二 傷つけてくる母親と仮の和解 第十章 老年期の内的対象喪失と親子 一 老年期の内的対象喪失 二 親と子の逆転 三 高齢者の内的対象喪失 ─エリクソン夫妻による第9の段階─ 第五部 満たされない気持ちを心に収めること 第十一章 対象喪失の喪の仕事とは ─精神分析の理論─ 一 フロイトの対象喪失とフリース体験 ─精神分析の創始─ 二 対象喪失の「喪の仕事」とは 第十二章 対象喪失の喪の仕事に必要な態勢と妨げるもの 一 原始的防衛機制 二 悲哀の仕事を妨げる躁的防衛 三 喪失の躁的防衛が下の世代に与える影響 第十三章 親をめぐる外的・内的対象喪失の喪の仕事 一 対象喪失と心身症状の精神療法 二 摂食障害発症の背景と外的・内的対象喪失 三 子の側の青年期の自立と親の側の中年期の課題をめぐって 四 精神療法の経過 ─共感について─ 五 精神療法の展開と終結 おわりに ─精神療法の仕事は喪の仕事─
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