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フィンランド公共図書館~躍進の秘密~

吉田右子, 小泉公乃, 坂田ヘントネン亜希  著

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価格 \2,750(税込)         

発行年月 2019年11月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 19p,258p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/総記/総記/図書館情報学
ISBN 9784794811394
商品コード 1031041624
NDC分類 016.23892
基本件名 図書館(公共)-フィンランド
本の性格 学生用/実務向け
新刊案内掲載月 2019年12月3週
書評掲載誌 日本経済新聞 2020/01/11
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1031041624

著者紹介

吉田右子(著者):筑波大学図書館情報メディア系教授。
小泉公乃(著者):筑波大学図書館情報メディア系助教。
坂田ヘントネン亜希(著者):エスポー市・エントレッセ図書館職員。

内容

 この10年間で、公共図書館を取り巻く状況は世界的に悪化していると言える。新自由主義の影響は国を問わず深刻なものとなり、公共サービスに関しても市場価値が最優先され、弱体の一途を辿っている。そんな状況のなか、公共図書館がとびきり元気な国がある。それがフィンランドである。世界一意欲的に使われているフィンランド公共図書館、その秘密はいったいどこにあるのだろうか。
 確実に言えることは、フィンランド社会の目標である平等の達成に、公共図書館が直接結び付いているということである。公共図書館は、すべての住民に情報と文化へのアクセスを保障する公共機関である。フィンランドではすべての自治体に公共図書館があるため、情報と文化へのアクセスが文字通り100パーセント保障されている。また、公共図書館は切れ目のない生涯学習を約束する場所ともなっている。無料の公共図書館があることで、人は学びたいときに躊躇せずに学びを再開することができるのだ。このような背景もあって、フィンランド公共図書館は伝統に安住することなく、新たな挑戦を恐れずに前に進み続けている。
 世界大戦や大国との関係に翻弄され厳しい自然環境のなかで経済的に貧しかったフィンランドが、公共図書館をはじめとする強靭な文化保障制度を作り上げるまでには長い年月がかかっている。決して平坦ではない道のりがゆえに、培われた創造的な文化がフィンランドの公共図書館にも根付き、市民とともに革新的なサービスを追求し続けてきた。その結果、「情報と文化へのアクセスの保障による社会的平等の実現」、「切れ目のない生涯学習への約束」、「既成概念に捉われない革新的サービスの創造」が、フィンランド公共図書館の躍進の秘密となった。
 映画『ニューヨーク公共図書館』(2019年)で表現された公共図書館以上のものがフィンランドにはある。そのことを紙上で確認していただきたい。(よしだ・ゆうこ)

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