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レジリエンス思考~変わりゆく環境と生きる~
ブライアン・ウォーカー,
デイヴィッド・ソルト
著
黒川耕大
翻訳
発行年月 |
2020年09月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
8p,188p |
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大きさ |
22cm |
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ジャンル |
和書/理工学/環境科学・工学/環境科学・工学 |
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ISBN |
9784622089315 |
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商品コード |
1031985607 |
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NDC分類 |
519.8 |
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本の性格 |
学術書 |
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新刊案内掲載月 |
2020年10月4週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1031985607 |
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著者紹介
ブライアン・ウォーカー(著者):生態学者。ジンバブエ生まれ。カナダのサスカチュワン大学で博士号を取得。ジンバブエ大学講師、南アフリカのウィットウォーターズランド大学資源生態学センターセンター長および植物学教授、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)野生生物生態学部長、スウェーデン王立科学アカデミーのベイエル生態経済学研究所役員、同研究所所長を経て、現在、CSIRO名誉フェロー、オーストラリア国立大学名誉教授。また、レジリエンス・アライアンスの創設メンバーの一人。熱帯サバンナや放牧地におけるレジリエンスに特に関心を持つ。2007年にIPCCとしてノーベル平和賞受賞、2018年に第27回ブループラネット賞受賞。主な著書にFinding Resilience (CSIRO PUBLISHING, 2019)、主な共著にResilience Practice (Island Press, 2012)がある。
デイヴィッド・ソルト(著者):サイエンスライター。CSIRO野生生物生態学部のコミュニケーションマネージャー、一般向け科学雑誌の編集者を経て、現在、オーストラリア国立大学が発行するDecision Point誌記者。海洋生態学、環境保全を専門とする。共著に、Resilience Practice (Island Press, 2012)、Trees and Biodiversity (Rural Industries Research Development Corporation, 2004)がある。
黒川耕大(翻訳):翻訳家。金沢大学理学部地球学科卒業、同大学自然科学研究科生命・地球学専攻修了。ナショナルジオグラフィックチャンネルやディスカバリーチャンネルなどの科学番組の翻訳を数多く手掛ける。訳書にブルサッテ『恐竜の世界史』(みすず書房、2019)ウォーカー/ソルト『レジリエンス思考』(みすず書房、2020)がある。
内容
ある時突然、景色が変貌し始める。長い間変わらずにあった一帯に、気がつくと見慣れない植物がはびこっている。大きな嵐の後、サンゴ礁が回復しない。大雨の後、一帯の草木が枯れ始める……。私たちが問題に気づくのは、いつもわかりやすい変化が起きた後だ。
著者によれば、変化はずっと前から始まっていた。何の変化も起きていないように見えても、どの生態系も静かに「レジリエンス」を失い続けていたのだ。
レジリエンスとは、「システムが攪乱を吸収しながらも、基本的な機能と構造を維持する能力」を言う。著者によれば、生態系のレジリエンスは有限であり、変動する。その低下を招く要因は生態系によってさまざまだ。ただし、どれもゆっくりと変化するため気づかれにくい。
その「遅い変数」を認識しないまま開発を行うと、気づかぬうちにレジリエンスの低下を招く。そして生態系は、以前ならば十分耐えられた外乱によって、簡単に別の生態系に移行してしまう。著者は、生態系を構成する機能群や「遅い変数」を見極め、別の生態系への移行が起きる閾値をモニタリングする「レジリエンス思考」による環境保全を提唱している。
変動し続ける自然に対し、そのレジリエンスに注目しながら共に生きる術を五つの事例で解説する、現代の必携書。