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対人関係精神分析を学ぶ~関わるところに生まれるこころ~
一丸 藤太郎
著
発行年月 |
2020年12月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
12p,293p |
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大きさ |
21cm |
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ジャンル |
和書/人文科学/心理学/精神分析 |
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ISBN |
9784422117553 |
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商品コード |
1032435736 |
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NDC分類 |
146.1 |
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本の性格 |
学術書 |
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新刊案内掲載月 |
2021年01月4週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1032435736 |
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著者紹介
一丸 藤太郎(著者):1973年、広島大学大学院教育学研究科博士課程後期単位取得退学。1976年~1979年:The William Alanson White Institute of Psychoanalysisで精神分析の訓練を受ける。1993年、博士号(心理学)取得。1998年、精神分析家の資格取得。現在、ももやま心理相談室主宰。精神分析家(ホワイト精神分析研究所)、臨床心理士、日本精神分析学会認定心理療法士、日本精神分析学会認定心理療法士スーパーヴァイザー。『心理療法の鍵概念』(共訳編、誠信書房、1976年)、『夢の臨床的利用』(共訳、誠信書房、1987年)、『心理療法における抵抗』(監訳、創元社、1997年)、『精神分析的心理療法の手引き』(共編著、誠信書房、1998年)、『精神分析における未構成の経験』(共監訳、誠信書房、2003年)、『精神分析における解離とエナクトメント』(監訳、創元社、2014年)
内容
対人関係精神分析とは、ハリー・スタック・サリヴァン、クララ・トンプソン、エーリッヒ・フロム、そしてフロム=ライヒマンの4人によって創始された精神分析の一つである。フロイトと彼の後継者たちによる厳密に構成された精神分析のやり方をそのまま踏襲するのではなく、もっと自由に、さまざまなやり方で分析を行おうとした彼らが、自身の分析療法を検証し互いに議論を重ねながら創り上げていった方法である。
フロイトの精神分析を絶対的な信条としなかったために、彼らは「ネオ・フロイディアン」「フロイト左派」などと呼ばれ、正統派フロイディアンからは距離を置かれた。日本では、中井久夫先生の功績によって創始者の一人であるサリヴァンの評価は高く、またフロムの著書も多くの読者を得ている。しかし、サリヴァンやフロムを精神科医や社会学者としては知っていても、精神分析家として認知している人は少ないのではないだろうか。「精神分析」という土壌は同じでも、それほど彼らとフロイディアンとは、こころの捉え方や分析療法についての考え方が異なっていた。
本書は、ニューヨークに留学し、対人関係精神分析のメッカであるウィリアム・アランソン・ホワイト研究所で訓練を受けて精神分析家の資格をとった著者が、正統派フロイディアンとの違いを鮮明にしつつ、対人関係精神分析とはどういうものかを人間味あふれる筆致で綴った魅力的な心理臨床の一冊である。全編を通じて、著者の人間観や心理臨床家としての根本的な姿勢・考え方が語られ、心理臨床に対する情熱を今なお強く感じさせてくれる。留学当時のエピソードで語られる著名な臨床家たちの姿や言葉は、この年齢の著者でないと決して書けない内容であり、なかでも、元クライエントと共に自らの分析療法の振り返りを詳細に記述した第8章「私の精神分析療法」は、若い臨床家たちに資するところの非常に多い内容になっている。