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書評掲載

しのぶ恋~浮世七景~

諸田 玲子  著

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価格 \1,760(税込)         

発行年月 2020年12月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 266p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/人文科学/文学/日本文学
ISBN 9784163913063
商品コード 1032508574
NDC分類 913.6
書評掲載誌 読売新聞 2021/01/17
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1032508574

内容

 時代小説の名手・諸田玲子が、浮世絵の名作に材を取って、紡いだ極上の短篇七本。

安藤広重「目黒太鼓橋夕日の岡」
歌川国政「五代目市川團十郎の暫」
歌川国貞「集女八景 粛湘夜雨」
鈴木春信「縁先物語」
葛飾北斎「百物語 さらやしき」
喜多川歌麿「深く忍恋」
東洲斎写楽「二世市川高麗蔵の亀屋忠兵衛と中山富三郎の梅川」

 七つの名作から生まれた物語は、男女の喜怒哀楽の表情を濃密に描いた感動作となっている。

 表紙を飾る鈴木春信の「縁先物語」から生まれた物語は、かつて美童と騒がれた男の封印した過去を描いている。
 萩の花咲く軒先で笑いさざめく女が二人。美少女と乳母。少年は若さゆえの無分別からある愚行に及んでしまう。(「縁先物語」)
 喜多川歌麿の「深く忍恋」をモチーフとした作品の主人公は、過去を捨て船宿の女将となっていた恋多き女「おりき」。
 大切な人とは、二度と逢わないつもりだった。遠くから、ひそかに想いつづけようと決めていたが、その想い人が、命の危機に瀕していると知ったとき、女の胸の奥、秘めた想いが動き出す。(「深く忍恋」)
 浮世絵の名作と、時代小説の名手の競演は、人生には、失って初めて気が付く幸せがあることを教えてくれる。

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