内容
端歩を突いた坂田三吉を借り、敗戦直後の世情と文壇に真っ向から切り込んだ、オダサク不朽の評論「可能性の文学」。志賀直哉を「神様」として崇める文壇輩を批判してやまないオダサクの、そこへ至った小説・文学への思いを初発から編年的にたどる初の評論選。全集未収録文献も多数収載。
編・解説=斎藤理生
「可能性の文学」にいたる織田作之助の文学論を初発からたどる評論集。
大阪という地と人、リアルな「噓」、盤上無尽の坂田三吉の将棋、ジュリアン・ソレル、西鶴、サルトル……。「文学の神様」を否定し、面白さを説く。
溌剌たるオダサクは戦後日本のひとつの青春
【帯文】
オダサクはひとつの青春
文学の可能性を
戦後出発の新しい時代に賭けた
旧弊になじまず、リアルな「嘘」を展開し
文学の面白さを追い求めた。