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絶望死のアメリカ~資本主義がめざすべきもの~

アン・ケース, アンガス・ディートン   著

松本裕  翻訳
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価格 \3,960(税込)         

発行年月 2021年01月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 13p,291p,38p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/社会科学/社会学/社会組織・社会集団
ISBN 9784622089636
商品コード 1032626030
NDC分類 361.85
基本件名 労働者
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2021年02月3週
書評掲載誌 日本経済新聞 2021/03/13、朝日新聞 2021/03/20
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1032626030

著者紹介

アン・ケース(著者):プリンストン大学経済学・公共問題名誉教授。プリンストン大学の開発研究リサーチプログラム所長。専門は医療経済学。2003年に、小児期の経済状態と健康状態の関係についての研究で、国際医療経済学会のケネス・J・アロー賞を受賞。2016年に、中年期の罹患率と死亡率についての研究で、米国科学アカデミー紀要のコザレリ賞を受賞。現在は、アメリカ国家科学賞大統領諮問委員、国家統計大統領諮問委員を務める。
アンガス・ディートン (著者):プリンストン大学経済学・国際問題名誉教授。南カリフォルニア大学経済学学長教授。専門は、貧困、不平等、医療、経済開発。イギリス生まれ。米英の市民権を持つ。ケンブリッジ大学とブリストル大学で教鞭を執ったのち、プリンストン大学に移籍。2009年にはアメリカ経済学会の会長を務める。2015年に、「消費、貧困、福祉に関する分析(analysis of consumption, poverty, and welfare)」で、ノーベル経済学賞を受賞。
松本裕(翻訳):翻訳家。訳書 ウッドマン『フェアトレードのおかしな真実——僕は本当に良いビジネスを探す旅に出た』(2013、英治出版)ディートン『大脱出——健康、お金、格差の起原』(2014、みすず書房)外山健太郎『テクノロジーは貧困を救わない』(2016、みすず書房)トンプソン『どうしても欲しい!——美術品蒐集家たちの執念とあやまちに関する研究』(河出書房新社、2017)レヴィンソン『例外時代——高度成長はいかに特殊であったのか』(みすず書房、2017)バーチ『ビットコインはチグリス川を漂う——マネーテクノロジーの未来史』(みすず書房、2018)ブラウン『カミングアウト——LGBTの社員とその同僚に贈るメッセージ 』(英治出版、2018)コリンガム『大英帝国は大食らい——イギリスとその帝国による植民地経営は、いかにして世界の食事をつくりあげたか』(河出書房新社、2019)ミュラー『測りすぎ——なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』(みすず書房、2019)コリアー『エクソダス——移民は世界をどう変えつつあるか』(みすず書房、2019)ほか。

内容

ノーベル経済学賞受賞者の最新作。

「これ以上、時宜にかない、しかも、希望に満ちた本を想像するのは難しい」
ロバート・パットナム(ハーバード大学教授)

「経済が繁栄し、株式市場が急騰するかげで、低学歴者が不可視化され、何十万もの死がもたらされていることを明らかにしている」
アトゥール・ガワンデ(ハーバード大学教授)

「あらゆる市民が読み、議論すべき書だ」
マーヴィン・キング(元イングランド銀行総裁)

「過去半世紀に、さまざまな生き方が、どのようにして擦り切れ、そしてバラバラになってきたか、さらに、アメリカの能力主義がいかに残酷かを書き尽くそうとしている」
ジョシュア・シャフィン(『フィナンシャル・タイムズ』紙)

「本書は2014年夏、モンタナの山小屋で生まれた。私たちは毎年8月になると、ヴァーネイ橋が架かるマディソン川が近くに流れる集落で、マディソン山脈を眺めながら過ごすことにしている。私たちは幸福と自殺の関係について調査すると決めていた。不幸せな場所——自分の人生がまったくうまくいっていないと感じている人々が暮らす郡、都市、国——ではやはり自殺が多いのかどうかを調べることにしていたのだ。この1年間におけるモンタナ州マディソン郡の自殺率は、私たちが1年の残り11カ月を過ごすニュージャージー州マーサー郡のそれよりも4倍高かった。私たちはその事実に興味を覚えた。というのも、モンタナで私たちはおおむね楽しく過ごしていたし、モンタナに住む人々も幸せに暮らしているように見えたからだ。
調査の過程で、中年の白人アメリカ人の自殺率が急速に増えていることがわかった。…驚いたことに、中年の白人の間で増えていたのは自殺率だけではなかった。すべての死因による死亡率が増えていたのだ。…もっとも増加率の高い死因は三つに絞られた。自殺、薬物の過剰摂取、そしてアルコール性肝疾患だ。私たちは、これらを「絶望死」と呼ぶことにした。…絶望死が増えているのは、ほとんどが大学の学位を持たない人々の間でだった」(はじめに)

「私たちが望むのは、死のエピデミックの純然たる恐ろしさ、そしてレントシーキングと上向きの再分配が生み出した極端な不平等に向き合うことで、これまで長く考えられてきた数々の構想が実行に移されることだ。その時はとっくに訪れている」(最終章)

アメリカ労働者階級を死に追いやりつつある資本主義の欠陥を冷静に分析し、資本主義の力を取り戻す筋道を提示する。

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