内容
夭折の臨床家、樽味伸の「素の時間」という概念から臨床家が患者とともに過ごす多くの時間について考え臨床を深めるための時間論
「素の時間」とは,症状から外れる時間である。外させるために,症状とは違う何かに治療者のチューニングが合い外れるのである。なぜこのような時間が訪れるのだろうか。それは奇跡ではなく,むしろ共に症状を放っておくような準備を行ったからであるのだ。チューニングが合う先が,症状ではないからこそ症状が外れていく。それが,「素の時間」なのである。(「Chapter 03 素の時間を考える」より)
執筆者紹介(執筆順,* は編者)
三脇康生*(みわき やすお)
仁愛大学心理学科教授
第1章,第3章,第5章,第6章
樽味 伸(たるみ しん)
九州大学医学部卒,2005 年逝去
第2章
岸本寛史(きしもと のりふみ)
静岡県立総合病院緩和医療科部長
第4章,第5章,第6章