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団体旅行の文化史~旅の大衆化とその系譜~
山本 志乃
著
発行年月 |
2021年09月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
332p |
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大きさ |
21cm |
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ジャンル |
和書/社会科学/民族学・民俗学・人類学/民族学・民俗学・人類学 |
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ISBN |
9784422230443 |
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商品コード |
1033522629 |
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NDC分類 |
384.37 |
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本の性格 |
学術書 |
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新刊案内掲載月 |
2021年10月4週 |
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書評掲載誌 |
朝日新聞 2021/10/30、産経新聞 2021/10/31 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1033522629 |
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著者紹介
山本 志乃(著者):山本志乃(ヤマモト シノ)
1965年鳥取県生まれ。神奈川大学国際日本学部歴史民俗学科教授。博士(文学)。民俗学専攻。定期市や行商に携わる人たちの生活誌、庶民の信仰の旅、女性の旅などについて調査研究を行っている。著書に『女の旅――幕末維新から明治期の11人』(中公新書)、『行商列車――〈カンカン部隊〉を追いかけて』(創元社、第42回交通図書賞(歴史部門)受賞)、『「市」に立つ――定期市の民俗誌』(創元社)、『日本の民俗3 物と人の交流』(吉川弘文館、共著)、『落語にみる江戸の食文化』(河出書房新社・共著)、『絵図に見る伊勢参り』(河出書房新社、共著)、『乾杯の文化史』(ドメス出版、共著)、などがある。
内容
団体旅行と聞くと、旗を持った添乗員に連れられた、主体性のない旅行者の集団、といったイメージが思い浮かぶ。
近年の観光学もまた団体旅行に対してはネガティブな評価をしがちで、団体旅行の発達によって「旅行のワンパターン化」ないし「旅行の画一化」が拡大されたといった言説が目立つ。
しかしながら、団体旅行の発展によって、誰もが安全に旅ができる「旅の大衆化」が進んだこともたしかであり、むしろ肯定的にとらえることもできよう。旅行機会そのものがまだ少なかった時代にあって、旅が体験できる貴重な手段でもあったのである。
一方で、団体旅行の発展は、交通網の整備、宿や食事の提供といった旅を支える諸条件はもちろん、旅人と旅先とを結びつける仲介者を必要とし、同時代の社会の変化と密接な関係にある。
そもそも、現代の多様化した旅も、こうした団体旅行のノウハウと経験の積み重ねを応用することで成り立っている。こうした点もまた、これまで十分に検討されてきたとは言えず、あらためて考察する意義があろう。
本書では、日本社会に団体旅行が定着していく過程を時代背景とともに読み解き、団体旅行の発展を日本の観光文化史のなかに位置づける。