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ユドルフォ城の怪奇<下>

アン・ラドクリフ  著

三馬志伸  翻訳
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価格 \3,960(税込)         

発行年月 2021年09月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 565p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/人文科学/文学/イギリス文学
ISBN 9784861828591
商品コード 1033539649
NDC分類 933.6
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2021年10月2週
書評掲載誌 産経新聞 2021/10/10
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1033539649

著者紹介

アン・ラドクリフ(著者):(Ann Radcliffe)1764年7月9日、ウィリアム・ウォードとアン・オーツ・ウォードの一人娘としてロンドンに生まれる。陶芸家ジョサイア・ウェッジウッドのパートナーとして有名なトマス・ベントリーに預けられて少女期を過ごす。ゴシック建築やピクチャレスクへの関心、詩人ジェイムズ・トムソンへの傾倒は、この母方の義理の叔父からの影響と考えられる。1787年、急進的な傾向で知られる「ガゼティア」紙の記者として筆を揮っていたウィリアム・ラドクリフと結婚。1789年、第一作となる『アスリン城とダンベイン城』を匿名で出版。翌1790年、第二作の『シチリアのロマンス』を同じく匿名で出版。1791年の第三作『森のロマンス』が好評を博す(本書の第二版から著者名が「アン・ラドクリフ」名義となる)。1794年、『ユドルフォ城の怪奇』を発表。この四巻本の長大な恐怖小説は、発売と同時に大評判となった。1796年、『イタリア人』を発表。前作に劣らぬ評価を得るが、本書が生前に発表された最後の小説となる。前年に罹患した胸部の感染症が悪化し、1823年2月7日に逝去。享年58。
三馬志伸(翻訳):(みんま・しのぶ)1959年千葉県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。同大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学(文学修士)。英文学者、翻訳家。著書に、Jane Austen In and Out of Context(慶應義塾大学出版会、2012)、編訳書に、ウィルキー・コリンズ、ジョージ・エリオット、メアリ・エリザベス・ブラッドン、マーガレット・オリファント『ヴィクトリア朝怪異譚』(作品社、2018)、訳書に、メアリ・エリザベス・ブラッドン『レイディ・オードリーの秘密』(近代文藝社、2014)などがある。

内容

悪漢の魔の手を逃れ、故国フランスに辿り着いたエミリーは、かつて結婚を誓ったヴァランクールと痛切な再会を果たす。彼が犯した罪とはなにか――刊行から二二七年を経て、今なお世界中で読み継がれるゴシック小説の源流。イギリス文学史上に不朽の名作として屹立する異形の超大作、待望の本邦初訳! どれほど彼女がモントーニの悪辣さに苦しめられたかを聞くにつれ、憐れみと憤りの感情が交互に彼の心を支配することになった。彼女はモントーニの行為を語るにあたり、その罪深さを誇張するというよりは、むしろ控えめに話したのであったが、それでも、それを聴いていたヴァランクールは、一度ならず椅子から立ち上がり、その場から歩み去っていった。それは、怒りというよりは、自責の念に駆られてのことのようであった。「わたしの苦しみはもう終わったのです」彼女は言った。「だって、モントーニの暴虐から逃れることができたのですから。そして貴方も元気そうだし――どうぞ悲しそうなお顔はなさらないでくださいまし」 ヴァランクールは前にもまして動揺した。「エミリー、僕は貴女にふさわしい人間ではない」彼は言った。「ふさわしい人間ではないのです……」(本書より)

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