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自由の国と感染症~法制度が映すアメリカのイデオロギー~
ヴェルナー・トレスケン
著
西村公男,
青野浩
翻訳
発行年月 |
2021年12月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
254p,55p |
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大きさ |
20cm |
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ジャンル |
和書/生命科学、医学、農学/社会医学/公衆衛生学一般 |
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ISBN |
9784622090533 |
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商品コード |
1033948583 |
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NDC分類 |
498.0253 |
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本の性格 |
学術書 |
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新刊案内掲載月 |
2022年01月3週 |
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書評掲載誌 |
日本経済新聞 2022/03/05 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1033948583 |
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著者紹介
ヴェルナー・トレスケン(著者):(Werner Troesken)
1963-2018。経済学者。元ピッツバーグ大学経済学部教授。1992年にダグラス・ノースの指導のもと、ワシントン大学(セントルイス)で経済学の博士号を取得。かつて疾病に悩まされたアメリカの都市がどのようにそれを克服したのかに着目し、都市の死亡率転換の研究を行う。ほかにもアメリカ南部ジム・クロウ法などの人種隔離政策を中心とした制度論や、経済史など幅広く研究活動を展開。2018年、ピッツバーグ大学在職中に没。著書にThe Great Lead Water Pipe Disaster (MIT Press, 2008), Water, Race, and Disease (MIT Press, 2004), Why Regulate Utilities? (University of Michigan Press, 1996) などがある。
西村公男(翻訳):(にしむら・たかお)
1978年生まれ。医学博士、日本消化器外科学会指導医・専門医。大和高田市立病院外科部長。2003年京都大学医学部卒。高知医療センター、国立がん研究センター研究所を経て、2017年より現職。
青野浩(翻訳):(あおの・ひろし)
一般社団法人 経済学101理事。おもに海外の社会科学の論文・論説・ブログ等を翻訳しWebで公開する活動を行っている。
内容
「この分析で重要な点は、政治制度の質と公衆衛生の成果の間に単純な相関関係はないことである。望ましい政治的・経済的成果をもたらすと考えられている政治制度の中には、公衆衛生を妨げるものもあれば、逆に促すものもある」(序文)
ワクチン接種義務や検疫のように個人や商業の自由を大きく制限する措置は、合衆国憲法の規定のもとではさまざまな軋轢を生んだ。一方、上下水道システムが充実して公衆衛生が大きく改善されたのは、合衆国憲法が私有財産権を保障して信用市場の安定を促したためだった。公衆衛生とはこのように、国家構造を規定するイデオロギーや市民の選好が互いに影響を及ぼしあった結果である。
本書では、天然痘・腸チフス・黄熱病という三つの感染症の事例について、アメリカの法制度との関係を中心に精緻に考察する。ハミルトンら合衆国憲法の起草者たちが各条項に込めたイデオロギーはどのようなものであったか。トクヴィルはアメリカ社会をどのように観察したか。諸外国ではどうか。そして実際に何が起こったのか。
本書の洞察は現今のアメリカ社会だけでなく、日本をふくむ世界各国の国家構造と公衆衛生との関係を考える手がかりとなるだろう。