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ゆっくりの美学~太田省吾の劇宇宙~

西堂行人  著

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価格 \3,080(税込)         

発行年月 2022年01月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 352p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/人文科学/芸術/舞台芸術
ISBN 9784861828713
商品コード 1034066701
NDC分類 772.1
個人件名 太田/省吾
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2022年02月1週
書評掲載誌 読売新聞 2022/02/27、日本経済新聞 2022/03/12、毎日新聞 2022/04/09
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1034066701

内容

初の〈太田省吾〉論!
沈黙劇 と呼ばれる独自の舞台を生み出し、今も、世界で高く評価される太田演劇。その劇宇宙の全貌を、初めて論ずる。生前の本人との対談も収録。

太田省吾は、なぜ「沈黙劇」に至り着いたのか――。
 言葉を失い、動きが緩慢になり、何もかも奪われてしまう過程で、すべてを奪い尽くされた地点、つまり死者の視線から、現在を見返すこと、そこに「希望」や「未来」を見ようとしていたのではないか。
 演劇は、人の行為によって、つまり誰か(自分も含めて)を「演じる」ことで、そこに虚構の事象を立ち上がらせる。その力業を、これまで「演劇」と呼びならわしてきた。だが太田は、そうした虚構をつくりださない。自然と人間の関わりに目を凝らし、そこにすでに胚胎している事実を、人間(俳優)のささやかな行為で取り出してくる。それは木の中に本質が宿り、それを削り出すことで露わにする彫刻的発想と似ている。それが太田の虚構を演じない〈劇〉ではないか。
 何もないこと、それは自然の景観と同義だ。その巨大な自然と相まみえることで、人間の中に〈劇〉が生まれる。それをわたしは、太田省吾の劇宇宙と呼びたい。この〈劇〉を浮上させる仕掛けが「ゆっくりの美学」である。

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