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731部隊全史~石井機関と軍学官産共同体~

常石 敬一  著

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価格 \3,850(税込)         

発行年月 2022年02月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 415p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/理工学/機械工学/船舶工学
ISBN 9784874987834
商品コード 1034144152
NDC分類 559.39
基本件名 細菌戦
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2022年03月3週
書評掲載誌 朝日新聞 2022/03/12
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1034144152

著者紹介

常石 敬一(著者):1943年東京都生まれ。1966年、東京都立大学理学部物理学科卒業。専門は科学史。
『消えた細菌戦部隊』(海鳴社、1981年)から『医学者たちの組織犯罪』(朝日新聞社、1994年)のころまでは満州731部隊について調べていた。地下鉄サリン事件(1995年)以降、『毒』(講談社、1999年)、『毒物の魔力』(講談社+α新書、2001年)、『謀略のクロスロード 帝銀事件捜査と731部隊』(日本評論社、2002年)、『化学兵器犯罪』(講談社、2003年)までは化学兵器および毒物について考えた。
21世紀に入り、STS(科学・技術・社会)のケーススタディとして『原発とプルトニウム』(PHP新書、2010年)、『結核と日本人』(岩波書店、2011年)、『日本の原子力時代』(岩波書店、2015年)、『3.11が破壊したふたつの神話』(神奈川大学評論ブックレット、2015年)などで科学技術と人間との関係を考えてきた。

内容

本書は、「731部隊」研究の第一人者である著者が、その四〇余年にわたる調査・研究をまとめた集大成ともいえる1冊で、国内外の様々な史料の実証的な検証と、これまでの数十名におよぶ関係者への聞き取りをもとに731部隊・石井機関の全貌に迫ります。

「満州国」ハルビン郊外の平房に本部をおいた731部隊は、石井四郎が組織した機関、通称「石井機関」の一部で、石井機関は東京の陸軍軍医学校防疫研究室を中心に「軍」だけでなく「産・官・学」を取り込んだ1万数千人規模という巨大なものでした。
特に密接な関わりを持ったのは大学を中心とする医学界で、潤沢な研究費や戦役免除などのメリットがありました。

731部隊は1931年の満州事変を皮切りに勢力を拡大させていきますが、1942年の淅贛(せっかん)作戦で、大規模な細菌攻撃を実行するも失敗に終わりました。部隊は細菌兵器の実戦投入の困難性を認識しながらも止まることができず、そのまま敗戦を迎えます。
研究成果と引き換えに戦犯追及を逃れた731部隊と医学界の共犯関係は総括されないまま、戦後の医学界で影響力を持ち続けました。
近年の「安全保障技術研究推進制度」をめぐり、大学と軍事研究の関係が注目されるなか、戦争と科学の関係を改めて問いなおします。


序章 731部隊:特別な存在
1章 窮地の軍医学校:東郷部隊と石井式濾水機
2章 石井機関:組織者石井四郎
3章 1932年満州コレラ調査:石井機関の原点
4章 平房の本部建物:上意下達の研究体制
5章 「北向け南!」:大失態と新たな情報収集が必要に
6章 切り札PX:人体の兵器化
7章 敗戦:世界は冷戦へ
8章 負の遺産:石井機関と日本の医学界
9章 復活する「消えた細菌戦部隊」:輸血とBCG
終章 科学・技術・社会:歴史・現在・未来

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