冤罪をほどく~“供述弱者”とは誰か~
中日新聞編集局, 秦融 著
著者紹介
内容
目次
Ⅰ 「私は殺ろしていません」─無実を叫ぶ三五〇通余の手紙─ 冤罪の調査報道の始まり /「検事さんへの手紙」は何を意味する? 「障害」の可能性/供述調書は迫真性のある〝作文〟でしかない フェイク情報に踊らされる 県警の「前時代的な捜査」 〝たたき割り〟捜査の犠牲者は二人/埋もれていた〝もう一つの〟冤罪事件 警察署長は会見でしらを切った/獄中からの手紙は「真実の声」 Ⅱ 彼女は発達障害かもしれない 取材班の立ち上げは「下町ロケット」方式/冤罪報道の限界 なぜ娘は殺人犯に?/獄中からの手紙をデータ化 彼女は発達障害かもしれない/無実なのに自白 その自白は「生きづらさ」が引き金に/待ち焦がれた褒め言葉 「発達障害」だけではなく/見過ごされがちな「グレーゾーン」の人 職場で深めた孤独感/過去にも発達障害の人が冤罪に 愛着障害という名の「心の渇望」 Ⅲ 獄中鑑定 ─供述弱者とは─ 獄中で自殺未遂/〝誰か〟がやらねば… 再審を引き受けた弁護士の思い 「娘を救いたい」─父の焦り/「再審をやめたい」 ある刑務官の存在/災いを転じて福となす 許可された獄中鑑定/二四人の裁判官が見逃した自然死の可能性 弁護人も気づかなかった障害/供述弱者─司法の闇に埋もれる犠牲者たち Ⅳ 冤罪をほどく 「ゲラを見せてほしい」/初めて知った障害「もしかしたらとは…」 無防備な〝少女〟が落ちた〝わな〟/県警に広がった波紋 文通で見えた冤罪への〝仕掛け〟/自白は「警官や検事による誘導」 再審開始決定の背景に一七年前の棄却 ─/「足利事件」で冤罪を導いた裁判官 なぜ冤罪を見抜けないのか /えせ科学と自白偏重─無実の罪に陥れるカラクリ 呼吸器事件と足利事件に重なる捜査手法/自ら障害を明かす決意 日弁連の支援決定/刑事課長になったA刑事に直撃 隠されていた〝無罪〟の証拠/クリスマスイブの誕生パーティー 「被告人」ではなく「西山さん」/真っ白な無罪判決 Ⅴ 国賠訴訟へ 「勝利」への道のり/謝罪なき捜査機関の反応 エピローグ なぜ裁判官は冤罪を見抜けないのか 裁判官が〝無罪判決〟を避ける理由/変遷する自白は信用しないのが〝常識〟 再審に立ちふさがる最高裁 あとがき
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