丸善のおすすめ度
ホー・ツーニェン百鬼夜行
ホー・ツーニェン
著
與那覇 潤,
能勢陽子
他
発行年月 |
2021年12月 |
---|
|
|
言語 |
英語 |
---|
媒体 |
冊子 |
---|
|
|
ページ数/巻数 |
279p |
---|
大きさ |
22cm |
---|
|
ジャンル |
和書/人文科学/芸術/美術理論・美術史 |
---|
|
|
ISBN |
9784907562335 |
---|
|
商品コード |
1034171434 |
---|
NDC分類 |
702.07 |
---|
|
|
本の性格 |
学生用 |
---|
|
新刊案内掲載月 |
2022年03月2週 |
---|
書評掲載誌 |
毎日新聞 2022/03/12 |
---|
商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1034171434 |
---|
著者紹介
ホー・ツーニェン(著者):1976年シンガポール生まれ。映画作家、ヴィジュアル・アーティスト。神話の構造や歴史、伝承、物語の探究を通じて作品を制作し、ヴィデオ、執筆、演劇など様々な形式で発表する。主な個展に森美術館(2012)、ビルバオ・グッゲンハイム美術館(2015~16)、国際展に第54回ヴェネチア・ビエンナーレ(2011年)など。演劇作品はウィーン芸術週間、テアター・デア・ヴェルトなどで上演され、映画はカンヌ国際映画祭などで上映されている。
與那覇 潤(他):1979年、神奈川県生まれ。歴史学者。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。学者時代の専門は日本近現代史。地方公立大学准教授として教鞭をとった後、双極性障害にともなう重度のうつにより退職。2018年に自身の病気と離職の体験を綴った『知性は死なない 平成の鬱をこえて』が話題となる。著書に『中国化する日本』、『日本人はなぜ存在するか』、『歴史がおわるまえに』、『荒れ野の六十年 東アジア世界の歴史地政学』ほか多数。2020年、『心を病んだらいけないの?うつ病社会の処方箋』(斎藤環と共著)で小林秀雄賞。
能勢陽子(他):豊田市美術館学芸員、あいちトリエンナーレ2019キュレーター。岡山生まれ。同志社大学文学部文化学科美学及び芸術学修士課程修了。これまで企画したおもな展覧会に、「テーマ展 中原浩大」(豊田市美術館、2001年)、「ガーデンズ」(豊田市美術館、2006年)、「Blooming:日本-ブラジル きみのいるところ」(豊田市美術館、2008年)、「Twist and Shout Contemporary Art from Japan」(バンコク・アート&カルチャーセンター、2009年、国際交流基金主催・共同企画)、「石上純也-建築の新しい大きさ」展(豊田市美術館、2010年)、「反重力」展(豊田市美術館、2013年)、「杉戸洋-こっぱとあまつぶ」展(豊田市美術館、2016年)、「ビルディング・ロマンス」(豊田市美術館、2018年)、あいちトリエンナーレ2019(豊田市・名古屋市、2019年)。美術手帖、WEBマガジンartscape等にも多数執筆。
内容
ホー・ツーニェンは 、映像、インスタレーション 、サウンド、演劇といった多領域を横断しつつ、時に妖艶に、時にダイナミックに観る者を魅了しながら、出身地のシンガポールを軸にアジアを舞台にした作品を展開しています。豊田市美術館で開催中の「ホー・ツーニェン 百鬼夜行」展(〜1月23日)では、アニメーションを用いて、奇怪かつ滑稽な100の妖怪たちが闇を練り歩きます。そこには、第二次世界大戦中にマレー(シンガポールは1963年にマレー連邦から独立)で活動した日本人も、 妖怪たちの姿を借りて登場します。ともに「マレーの虎」の異名で呼ばれた山下奉文(ともゆき)大将と60年代のヒーロー番組「怪傑ハリマオ」のモデルになった谷豊を中心に、その周囲で暗躍した軍人やスパイ、そして当時の思想家たち。日常の裂け目から現れる妖怪は、魔に魅入られた時代を映し出すでしょう。
恐怖と好奇心で大衆の心を惹きつけてきた妖怪は、伝承と科学、自然と超自然、忘却と郷愁の間で、時代とともに揺れ動いてきました。近代以降に消えた妖怪とそれ以降に世界を席巻した戦争、そして現代の日本文化―この過去と現代が交わる地点に、複雑な日本の歴史や精神史が浮かび上がります。本展覧会図録となる本書では、100の妖怪たちを紹介するガイドであり、展覧会に込められた多様で複雑なエレメンツを読み解く書でもあります。