内容
実験科学においては、センサー(検出器)からの情報を毀損することなく、精確に増幅することが成功への鍵を握る。このために必要なアナログ回路はどうあるべきか?本書は、このような問題意識の下に、アナログ回路に初めて挑戦しようとする人々のために書かれた入門書である。
必要とされる知識は大学初年度程度の数学であり,トランジスタについても半導体の理論を前提とせず、簡単な実験に基づいて理解できるよう工夫している。エミッタ接地アンプの原理回路から入って,表紙に掲げたオペアンプまで,具体的な回路例によって設計能力を身に着けることを目標とした。高性能増幅器を実現するには「雑音」の性質を理解しなければならないが,この点でも第一原理からの説明を心掛けた。
本書の後半では,実践力の更なる向上を目指し,実際の実験に用いられた回路の例を多数とりあげて解説した。これにより物理実験を成功させたい―これが著者の願いである。