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パッシング/流砂にのまれて

ネラ・ラーセン  著

鵜殿えりか  翻訳
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価格 \4,950(税込)         

発行年月 2022年03月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 411p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/人文科学/文学/イギリス文学
ISBN 9784622090748
商品コード 1034361058
NDC分類 933.7
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2022年04月4週
書評掲載誌 読売新聞 2022/05/15
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1034361058

著者紹介

ネラ・ラーセン(著者):ハーレム・ルネサンス期を代表するアフリカ系アメリカ人女性作家。1891年シカゴに生まれる。母はデンマーク出身(白人)、父は西インド諸島出身(黒人)。リンカーン病院附属看護学校に入学、15年看護師免許を取得。19年、物理学者エルマー・S・アイムズと結婚、翌年夫妻はハーレムに転居。その後ニューヨーク公立図書館分館で働き、合衆国で正式に図書館学を修めた最初のアフリカ系アメリカ人となる。28年長編小説『流砂にのまれて』、29年『パッシング』を発表し、高い評価を得た。30年発表した短編小説「サンクチュアリ」に剽窃疑惑が持ち上がるなか、文学上の業績により黒人女性として初めてグッゲンハイム奨学金を授与され、32年1月までヨーロッパに滞在。その間に長編第三作『蜃気楼』を執筆したが、出版されることはなく、原稿も現存しない。33年離婚。ハーレムを去ったのちは、63年に退職するまで病院で看護師として働き、64年、25年間住んだアパートでひとり世を去った。享年72歳。
鵜殿えりか(翻訳):(うどの・えりか)
アメリカ文学研究者。愛知県立大学名誉教授。単著に『トニ・モリスンの小説』(2015、彩流社、日本アメリカ文学会賞)。共編書に『新たなるトニ・モリスン――その小説世界を拓く』(2017、金星堂)、『ハーストン、ウォーカー、モリスン』(2007、南雲堂フェニックス)。訳書にトニ・モリスン&スレイド・モリスン文/パスカル・ルメートル絵『どっちの勝ち?』(共訳、2020、みすず書房)。ネラ・ラーセンについての論文に、松本昇監修『ハーレム・ルネサンス――〈ニュー・ニグロ〉の文化社会批評』(2021、明石書店)所収「ハーレム・ルネサンスとネラ・ラーセン」、鷲津浩子・森田孟編『イン・コンテクスト』(2003、筑波大学アメリカ文学会)所収「パッシングを超えて――ネラ・ラーセン『パッシング』における人種/セクシュアリティ」他。

内容

1920年代ニューヨーク。アフリカ系アメリカ人による初の文化運動「ハーレム・ルネサンス」が花開いた。彼らは黒人独自の文化アイデンティティを追求し、ジャズ音楽や文学活動、ダンス・パーティや集会で街は活気づいた。本書はこの期の最高傑作とされる小説二編を収める。
「パッシング」とは、肌の色の白い黒人が自らを白人と称して行動する実践である。幼なじみの女性が再会する。どちらもパッシングができるほど肌が白いが、アイリーンは黒人社会で堅実な家庭を築き、クレアは黒人であることを隠して白人と結婚生活を送っていた。クレアが子ども時代に暮らしていた黒人コミュニティに惹かれ、再接近したとき、事件が起きる。
「心から欲しいと思うものを手に入れるためには、何でもする人間なのよ、わたしは」(『パッシング』)。
作者の自伝的要素が色濃いデビュー作『流砂にのまれて』は、デンマーク人の白人の母、西インド諸島生まれの黒人の父をもつヘルガの遍歴を描く。「人種」の枠にも伝統的価値観にも宗教にも収まらない彼女は、カラーラインのみならず、いくつものラインの越境者であった。
苛烈な現実の中の生と性を繊細に描いた文学作品にして、ジェンダー・人種・差別・LGBT問題の必読書。

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