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ギリヤーク尼ケ崎という生き方~91歳の大道芸人~

後藤 豪  著

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価格 \1,980(税込)         

発行年月 2022年03月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 237p
大きさ 19cm
ジャンル 和書/人文科学/芸術/舞台芸術
ISBN 9784794225719
商品コード 1034384230
NDC分類 779.7
個人件名 ギリヤーク尼ケ崎
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2022年04月3週
書評掲載誌 毎日新聞 2022/05/28
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1034384230

著者紹介

後藤 豪(著者):後藤 豪(ごとう・つよし)
1981年東京都生まれ。2005年毎日新聞社入社。青森支局、大阪社会部、東京社会部などを経て、18年10月から東京経済部。生損保や証券、IT業界などを担当し、菅義偉政権(20年9月〜21年10月)の時は、デジタル庁創設への動きを追った。今回が初の単著となる。

内容

「投げ銭」に支えられて半世紀――。
万策尽きて38歳で路上に立ってから今日まで、
唯一無二の存在感で観衆を魅了しつづける
「伝説の大道芸人」の不器用でひたむきな軌跡をたどる。

やってきたことはシンプルだ。屋外で公演をする場所を決める。
しかし、無許可の場合が多く、警察に見つかったら踊れる保証はない。
運よく踊れたとしても、客は通りすがりの人たちだ。
まず、立ち止まってくれるか。さらには「投げ銭」をもらえるか……。
その繰り返しだったが、投げ銭を糧にするのは予測不能な面が多く、
不安定な生き方だった。なんとかここまでこられたのはなぜか。
それは、ギリヤークさんの人となりによる部分が大きいと感じる。
……「知る人ぞ知る」の典型ともいえるギリヤークさんは、
多くの人の支えがあって現在にいたっている。その人間的魅力とはなんなのか。
この本は、「ギリヤーク尼ヶ崎という生き方」を探る旅である。
(本書「はじめに」より)          
                                               

取材の終盤、私は一気に時代を70年近くくだり、ギリヤークさんの現在について話を振ってみた。
──ギリヤークさんは今、悩んでいることってありますか。
「まだ、やりたいことがたくさんあるんだよね」
──もっと踊りたいですか。
「踊りたいんだけどね。気力が衰えている」
──どういうところで感じますか。
「90歳になってね、90歳という年齢が怖いですね。89 歳あたりだとわりとね、まだ89
歳って余裕ではないが、『89歳か……』って感じだけど、90 歳になってゾクっとした」
──ゾクっとした?
「いよいよ油断できないなって。本当の真剣勝負の世界に入ってきた。選んだ仕事を確実にものにする」
 じつに神妙な口調だった。
(本書「第1章 90代」より)

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