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レーモン・クノー<与太郎>的叡智
塩塚 秀一郎
著
発行年月 |
2022年05月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
230p |
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大きさ |
19cm |
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ジャンル |
和書/人文科学/文学/フランス文学 |
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ISBN |
9784560098981 |
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商品コード |
1034402339 |
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NDC分類 |
950.278 |
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本の性格 |
学術書 |
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新刊案内掲載月 |
2022年06月1週 |
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書評掲載誌 |
朝日新聞 2022/07/02 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1034402339 |
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著者紹介
塩塚 秀一郎(著者):東京大学大学院人文科学研究科修士課程(仏語仏文学専攻)修了、パリ第三大学博士(文学)。
東京大学大学院人文社会系研究科教授。
著書『ジョルジュ・ペレック 制約と実存』、訳書ペレック『さまざまな空間』『美術愛好家の陳列室』『煙滅』『傭兵隊長』『パリの片隅を実況中継する試み ありふれた物事をめぐる人類学』、クノー『あなたまかせのお話』『リモンの子供たち』(日仏翻訳文学賞受賞)。
内容
与太郎は、ほんとうに馬鹿なのか?
馬鹿げた話やデタラメな話を「与太話(噺)」というが、これは古典落語にしばしば登場する〈与太郎〉から来ている。与太郎とは、定職にもつかずブラブラしていつも失敗ばかりの粗忽者、なのになぜかのんきで楽天的なお調子者といったところか。
フランスにも、この与太郎キャラを描くのが抜群に巧い作家がいる。レーモン・クノー(1903-76)である。代表作は映画化もされたスラップスティック・コメディ『地下鉄のザジ』や、たった1つの出来事を99通りの文体で書き分けた『文体練習』など。実験的文学集団「ウリポ」の中心的メンバーとしても知られ、ガリマールの『プレイヤード百科事典』の監修責任も務めた。
深刻ぶったり難解ぶったりするのが大好きなフランス現代小説において、しかも第二次世界大戦前後という切実な時代に、知の巨人のようなクノーは『わが友ピエロ』、『ルイユから遠くはなれて』、『人生の日曜日』といった作品で、〈世の中ついでに生きている〉ようなのんきな男たちを次々に創り出した。それはいったいなぜか──。クノー小説における愛すべき〈与太郎〉たちを通し、我々の通念を揺さぶる「知」や「真実」を問う。