気候民主主義~次世代の政治の動かし方~
三上 直之 著
内容
目次
はじめに あらゆるものごとはつながり合っている/連鎖する課題群とSDGs/気候危機と民主主義の危機/筆者の専門分野と本書のアプローチについて 1 ヨーロッパに広がる気候市民会議――「くじ引き市民」が議論する脱炭素社会への転換 くじ引きで社会の縮図をつくる/気候変動とは何か/すでに生じている気候変動の影響/脱炭素社会への困難な道のり/「排出実質ゼロ」目標の意味/バランスのとれた情報提供のために/排出削減の道筋を考える/政策の基本原則についても議論/会議結果の用いられ方/フランスの気候市民会議/なぜ無作為抽出型の市民会議なのか 2 民主主義のイノベーション――危機に向き合うための変革の道具箱 ミニ・パブリックス/世界市民会議(WWViews)/市民議会の広がり/民主主義のイノベーション/イノベーションの四つのツール/参加型予算/国民投票・住民投票/住民投票条例というイノベーション/常設型の住民投票条例/市民イニシアティブ/プレビシットという落とし穴/第一の疑問――民主主義の過剰・暴走なのではないか?/第二の疑問――エリート支配の強化につながるだけではないか?/評価基準1 包摂性/評価基準2 意思決定への影響力/評価基準3 熟慮に基づく判断/評価基準4 透明性+その他/熟議民主主義と参加民主主義の関係 3 脱炭素化のシナリオと「国民的議論」――原発事故後の討論型世論調査が残した課題 エネルギー問題としての気候変動対策/省エネ/エネルギーの脱炭素化をどう進めるか/二〇五〇年、エネルギーの脱炭素化のシナリオ/原発をめぐる世論と開かれた議論の必要性/原発事故翌年の「国民的議論」/討論型世論調査(DP)の導入/過半数が将来的な「原発ゼロ」を望む結果に/結果はどのように用いられたか/残された課題 4 日本で気候民主主義の芽を育む――地域発・若者主導の試み 世界市民会議の気になる結果/「生活の質」をテーマに市民会議を試行/コロナ禍で前倒しされた日本初の気候市民会議/「気候市民会議さっぽろ2020」/議題と情報提供の構成/くじ引きでの参加者募集に苦戦/気候市民会議での議論/投票結果/地域発の気候民主主義の広がり/「気候若者会議」というイノベーション/気候民主主義の底流にあるもの 終章 気候民主主義の生かし方 仮説としての気候民主主義/アイデアを固め、深め、広げる/制度化の必要性/気候民主主義の広がり/ことばを通じた解決にふみとどまるために おわりに 文献と注
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