内容
数値計算において,単純な問題では十分な精度がえられても,少し複雑な問題では時にとんでもない誤差が生じることがある.
本書は,数値計算で生じる誤差とその精度について,概要を解説したものである.
前半では基本的な数値計算法の概要を述べた.複雑な数学的な証明の多くは省略した一方で,計算法を構成する際に用いたアイデアや原理を多く示した.また,簡単な計算例に適宜グラフィックスと数値をあわせて示し,誤差の全体的挙動を理解できるようにした.
後半では,差分法や有限要素法,2次元弾性体の線形問題に対する三角形1次有限要素法といった実用に近い数値計算法についても入門的解説を行った.
数値計算法に関する基礎知識を身に着け,数値計算の信頼性を確認する力,誤差に対処する力を養う一冊.